黒い鎧

シェアハウス専門ポータルサイトのスタッフによる、シェア生活を楽しむための探検レポートブログ。東京、神奈川、千葉、埼玉、 そして全国各地のシェア賃貸住居をひたすら探検する専門ポータルサイトの隊員達。明日はあなたの物件へ・・・!?
小技が効いてます。
「四谷三丁目」は個人的に好きな街。
近くに住んでいる事もあって、路地裏をよく歩き込んだものです。
大通りを1本入ると荒木町と呼ばれる花街の面影を残す飲み屋街があります。昭和中期から残るレトロな店が軒を連ね、夜は黒塗りの車やら酔っ払ったおじさんやらで賑わっています。
四谷消防署は消防博物館を併設し、クラシカルな消防車が展示され、真っ赤なヘリコプターにも乗ることができます。アンパンマンショップやおもちゃ博物館もあり、散歩していても小さなネタの尽きない街です。
生活を考えてみます。
駅前にはスーパー丸正の本部があり、平日は26時まで営業しています。ランニングをする人なら皇居の周りを回って戻ってくれば、ほどよい運動量になるでしょう。飲食店は多すぎて、全て食べ歩いたらメタボになること間違いなし。
新宿と赤坂見附はそれぞれ2駅。青山までは電車は通っていないのですが、自転車があれば直ぐの距離。青山一丁目ならタクシーを乗ってワンメーターかと。利便性が高いので、オフィスも多めの立地です。
実用的ですが、派手さがなく、すこぶる地味な印象を受ける四谷三丁目。その路地を入った住宅地に、オフィス・テナントと同居する珍しい運用形態の「四谷の家」はあります。
元は純和風な建物ですが、改修とのせめぎ合いで、珍ポイントがてんこ盛りの意外性ある家へと変貌を遂げています。
意外性のある家、大好きです。
シェアハウスの周辺は立派なお屋敷や凝ったデザインの家が多いエリア。
その中でも、ひときわ強いオーラを発していたのが「四谷の家」。
西洋の兜を彷彿させる、防御力の高めな形状。
外観は暗めのグレーに塗装されていますが、前面に木のルーバーが張られ、平坦ではない引き締まった表情を見せます
正面玄関には、さりげなく渋い格子戸が用いられています。
目隠しをしつつ光を取り入れられる、なかなか機能的な構造でもあります。実はルーバーの奥はガラス張りなのですが、外からは中が見えにくいルーバーの効果がよく分かります。
黒を背景に、軒先のグリーンも綺麗に映えます。
立ち位置を変えて塀の裏側を見ると、部屋ごとに分けられた郵便ポストが用意されています。
それでは格子戸をスルリとスライドさせて、中を覗いてみます。
玄関を開けると、目の前にオフィス・テナントさんのスペースがあります。
棚のディスプレイが可愛らしい、かなり風通しの良いオフィス。
独立したばかりのインテリア・デザインの会社との事で、「四谷の家」の内装も担当されたそうな。若い女性の方が代表なのですが、奥にチラリと見えるリビングも入居者さんと同じように使用します。
では、少し中に入って玄関周辺を見てみます。
正面の照明は仮置きとの事で、配置が変わるかもしれないそう。
足元の土間には、細かな砂利が敷かれています。
こちらは、今回の改装前からあったのだそう。
入居者さんが使用する玄関や靴箱は、オフィスをぐるりと回りこんだ場所にあります。
左手前から、階段、洗面台とトイレ、靴箱の順に並んでいます。
靴箱の中身を見てみます。
奥行きはイマイチですが、その分を補って幅広。
棚板の高さ変更もできるので、少しカスタマイズして使う感じかと。全4室ということで、収納量としてはたっぷりです。
さて、リビングは和洋折衷です。いわゆるジャパニーズモダン的な。
キッチンを向いて座るカウンターには、ハイチェアが置かれています。
淡い色の床面は、掘りごたつの名残だそう。
どっしりと腰の落ち着くソファもあります。
ソファの前の小さなローテーブルは、もう少しサイズの大きいものに変更されるそう。ソファに腰掛けた対面にはTVがあります。
TVに向かって右の引き戸の先がバスルームと洗濯機の水まわり設備です。
リビング側から玄関側を見ると、開口部の多い開放的な空間が体感できます。
外から見るのと内から見るのとでは大違いです。なお、オフィス・テナントさんは夜間は基本的に居ないのではないかと。
ちなみに、オフィス部分を引き戸で仕切る事もできます。
スッキリするような、ちょっと解放感が減るような。夜間の運用は、お互い迷う所になりそうです。
続いて、壁から突き出たペニンシュラ型のキッチンを見てみます。
食器棚は棚板の高さを柔軟に変えられるタイプ。また、吊戸棚は部屋ごとに使えるスペースが決められています。
棚の並びにゴミ箱や電子レンジ、冷凍庫が置かれています。
そう、冷蔵庫ではなく冷凍庫です。お酒を飲む家にはありがたい設備。
多忙な身にはありがたい食洗機も付いています。
ガスコンロは3口です。
なんとなーく自炊派は少なくなりそうな気もしますが、いざやるぞ!となったら頼もしいはず。あとは、酒のつまみを作る感じなんでしょうかね。
では、続いて水まわり設備を拝見。
キッチン側から見ると、正面に洗濯機があります。
左手が脱衣室とバスルームです。
右手の壁には、折りたためるタイプのフックが付いています。
脱衣室には姿見があります。
お風呂上りのボディ・チェックにピッタリ、という配置。
バスルームは窓付きです。
バスルームはジメジメしがちなので、窓は換気にかなり効きます。
明かりも入るので、快適なバスタイムになるでしょう。
次いで玄関脇の洗面台とトイレを見てみます。
オフィスを訪問したお客さんも使用するので、洗面台まわりに私物を置くのは避けたほうが良さそう。
トイレはウォシュレット付きです。
階段脇には、自転車を駐めておくことができます
専用の自転車置き場という訳ではないのですが、2台までは駐輪OKとの事。
それでは2Fへ上がってみます。
ステップには滑り止めシールが貼ってあります。
階段を上がりきると、床が一部、麻のような素材になっていることに気が付きます。ポコポコして不思議な踏み心地です。
麻の床から右を向くと201号室、左を向くと廊下に沿って202~204号室が並びます。
丸窓の裏が洗面台になっています。ちょいと回りこんでみます。
丸い窓の中に、ちょうどランプが降りる演出。
好きです。
洗面台はコンパクトで省スペースなタイプ。
正直言えば、顔を洗うにはサイズがちょっと小さめではあります。まずはテクニックを磨く必要がありそう。
窓脇の鏡は、マジックハンドのように伸縮します。
窓辺のグリーンもポイント。
洗面台の対面がトイレです。
ウォシュレットや暖房便座ではなく、シンプルなトイレ。
便座は木製ですけど。
階段を上がると、屋上へ出られます。
屋上は人工芝が敷かれ、テーブルセットが置かれています。
視界が開けて気持ち良い!BBQコンロも用意されるので、時にはビール片手に屋上でワイワイ楽しむのもアリ。希望者は家庭菜園もOKとのこと。四谷三丁目の暮らしとしては、随分と贅沢です。
片隅では物干しもできますので、普段使いにも実用的です。
新宿の高層ビル群を見ながらの物干しです。
それでは、専有部を見てみます。
203号室は2面採光で陽当たりも良好です。
ベッド下のエリアは、一部床材が異なりますが、普段使いのエリアは艶と赤みのある質の良いフローリング。
窓にはモザイクフィルムが貼られ、屈折して床に写り込む光も美しい。
これだけ陽当たりが良いと、カーテンや日除けは必須かと。
ドアは防音仕様のため、ドアノブもカチャリと気軽にひねるタイプではありません。縁にも防音の為にゴムが使われています。
ドアを閉めた後に、グッと力を込めてノブの位置を水平に持って行きます。
続いては204号室。
床はフローリングですが、写真のように上からカーペットを敷いています。
不要であれば簡単に取り去る事が出来ますので、入居時にお伝え頂ければ。
素直な形に思えますが、振り返ると見事な程に変形した間取り。
さて、あの窪みをどうしてくれようか。
窓には203号室と同じフィルムが貼ってあります。
こちらは、203号室ほど強烈な陽当たりということはなさそうです。
続いては201号室。
許可を頂いて、実際に入居済みの専有部を撮影させて頂きました。
床材は入居者さんがご自身で張り替えられたのだそう。
壁の色と床の色の相性も良く、ゆっくりできそう。
和洋のアンティーク家具の割合も良い具合ですね。
窓枠に目を移すと、キレイな板目が出ています。
設えの良い家です。
周辺と言いますか、町内は閑静な住宅地です。
ただ、2分ほど歩くとすぐに外苑東通りに出ます。この辺りは片側2車線の車通りの多いエリア。
四谷三丁目の交差点まで歩くともう、車天国です。
冒頭でもお伝えしましたが、最寄りの四谷三丁目駅からは、新宿と赤坂見附はそれぞれ2駅。東京メトロ・丸ノ内線は都内の主要駅へのアクセスも良いですし、都心エリアなので自転車なら山手線内は30分でドコでも行けそう。
ただし駐輪スペースには限りがあるので、自転車メインの方はその点のみ要確認かと。
運営は「桔梗ハウス」さん。
現在はメディア関係のお仕事をされているとか。ご主人がアメリカの方で、海外生活の経験もおありということです。
「四谷の家」は国籍や性別、年齢の枠にとらわれずに、入居者さん同士がフラットな関係を築けるようにしたい、ということです。思ったことはハッキリと伝えるタイプの方かと思いますので、こちらも質問や不安に思う点などあったら正面から聞いてみるのが良さそうです。
なお、立地もユニークネスも抜群ということで、正直人気物件です。もしも空きが出ているのを見つけた時は、お早めのお問合せをどうぞ。
運営者さんは関西出身だそうで、近所の大阪寿司「八竹」さんがおいしいと勧めて頂きました。
(ランチで)行ってみようと思います。
(サトウ)