手作りの窯、中庭の畑。食べ物も自分たちの手で。

閑静な住宅街の中で佇む、ノスタルジックな雰囲気をもつ大きな木造アパートは、「シェアデザイナーズカレッジ たまプラーザ」という名前のシェアハウスとして、まもなく再生の時を迎える。少しずつさまざまな人の手が加わり彩りが増しつつあるようだ。

アンティーク家具が揃えられ、
大きく装いが変わった共用スペース

クリーニング、水まわりの回収がなされただけで、そのほかは従来のままだった約1カ月前。先日おこなわれたオープンキャンパスの際には、共用部の床にフローリングが張られ、壁には漆喰が塗られたことで、大きく装いが変化している。居住スペースは、敢えて手を加えず入居者自身がカスタマイズできるようにしてあるA棟。ある程度の生活が出来るように、すでに備品の用意があるB棟に分けられている。

売り物だけど使用可能な渋いアンティーク家具

前回、殺風景だったリビングルームは、大方の家具を設えて、立派な空間へと変身を遂げていた。シックなアイテムが整然と並び、中には思わず「渋い!」と声を上げたくなるほどのビリヤード台も。実はこれらの家具は、アンティーク家具屋さんの商品でプライスタグが下げられている。商品とは言っても使用は当然許可されており、売れてしまえば、また違うものが導入されることになっている。

ホワイトのシンプルな多目的スペース

リビングルームとキッチンスペースの間に用意されているのが多目的スペース。全体をホワイトでまとめたこの空間には、DJをやっていたという以前の外人が忘れていったレコードと、真っ白な電子ピアノだけが置かれている。周辺から苦情がこない程度であれば音を出しながら、パーティをするなんていうことも…?如何様にも使えてしまいそうな、自由度の高そうな空間。

日本で3台の卓球台を設置

多目的スペースの先がエントランス。ここには、独特なデザインの脚と、モノトーンカラーが特徴的な、日本で3台と言われるプーマ製の卓球台が置かれている。

少しずつ彩りが加わり、
オリジナルの空間が垣間見えてきた

建築学科の学生の手による独創的な空間

用意されている約60部屋の中で、唯一カスタマイズ済みなのがA棟の103号室。この創作は建築学科の学生達の手によるものだ。壁面に張り出した部分を作り、その上に板をランダムに設置することで、雑誌やアート、レコードなどを挟み込める隙間を確保。壁全体を棚のように見立てることで、“見せる”ことに重点を置いた独創的な空間に。ふすまの扉も学校らしく黒板塗装が施されている。ちなみに、この部屋を作った学生に居室の改造を頼むことも可能。

すべての壁がキャンバス

“すべての壁がキャンバス”と謳われているとおり、部屋、廊下の壁は自由にペインティングしてOK。玄関脇にある靴箱は大体に真っ赤なカラーリングが施された。さまざまな要素が次第にミックスされていき、「ノスタルジック」「レトロ」といった言葉を払拭するような、オリジナルの空間が垣間見えてきた。

最低限の備品が用意されているB棟

B棟の居室の様子。シェアデザイナーズカレッジ たまプラーザでの入居者募集は、「建築学科」「職人学科」「クリエイター学科」「外国人学科」という4コースに分けられている。デザインやアートといった括りだけではなく、純粋にもの作りに精通していれば、誰もが入居のチャンスを得ることができるのだ。「DIYは少し…」という人のために、生活に必要な最低限のものがすでに備え付けられている居室も用意している。

最後の仕上げは入居者の手で?

オープンキャンパスと同時におこなわれたワークショップの一貫の壁塗り。最低限の仕上げは現在進行中で、この壁塗りはその第1弾とも言える。次回からは入居者が中心になっておこなう可能性も…?

手作りの窯、中庭の畑。食べ物も自分たちの手で。

手作り感が魅力のピザ窯

広大なキッチンスペースには、業務用コンロ、ビールサーバーが用意されており、本格的な調理も可能。コンロ脇には、共用部の壁に漆喰を塗ってくれた、左官業を営む岡崎さんお手製のピザ窯が設置されている。最初に木で中の形を作る伝統的なやり方とは異なり、今回はワイヤーでドームを作り、それを覆うようにレンガを置く方法を採用したという。ワークショップ参加者もこの作業を手伝い、結果、十二分と言える魅力をもった窯に仕上がった。

中庭はオーガニック菜園に再生

単なる中庭はオーガニック菜園として生まれ変わる。この日行われたのは、最初にやる作業にして、とても重要な土作り。耕耘機を持ち込んでくれた近くの農家の方と共に、ワークショップ参加者さんがお手伝い。今後、この畑にはトマト、キュウリなど、小振りな野菜が植えられる予定で、それに加えて玄関周りにはハーブ用のプランターが用意される。都会にいながら、プチ自給自足生活を体験することが可能。

交流のプラットフォームとなる家

ピザが振る舞われたランチタイムにはジャズライブが行われた。歌を披露してくれた方は、「シェアデザイン」が運営する「シェアレジデンス市川」に住んでいて、元々は海外でジャズを学んでいたそう。これからも、シェアデザインをプラットフォームとするさまざまな交流に期待が持てそうだ。

2012年3月10日、無料宿泊体験付イベントが行われます!

70畳のリビングはアンティーク家具屋さんとコラボして、売れた家具は随時入れ替わります。キッチンには大型業務用ガスコンロ、冷蔵庫、本格レンガのピザ窯もあります。防音室も完備しているので、音楽もガンガンに演奏出来ます。岩風呂で温泉入浴の後は生ビールサーバーで乾杯しましょう。最近、オーガニック農園を造り終えました。部屋の改装用に電動ノコ・ドリルなどは用意済み、ホームセンターに行く為にシェアカーもあります。英会話教室とイタリアン料理教室が毎週、参加費無料で行われます。面白い入居者が続々集まってきていますのでお気軽に内覧会にご参加ください。見学だけも大歓迎です。
次回のイベントは(2012年)3月10日に無料宿泊体験付イベントを行います。内容はメールにて直接お問い合わせください。

東急田園都市線たまプラーザの高級住宅地の真ん中に、20年以上外国人のゲストハウスとして経営されていたアンティークモダンな建物がありました。しかし、3.11震災後、外国人が一斉に帰国したため、建物だけが残されました。そこで今回、私達はこのアートの発信...
BACK NUMBERバックナンバー
特徴の似ているシェアハウス
  • お問合せお問合せ