
シェアハウス専門ポータルサイトのスタッフによる、シェア生活を楽しむための探検レポートブログ。東京、神奈川、千葉、埼玉、 そして全国各地のシェア賃貸住居をひたすら探検する専門ポータルサイトの隊員達。明日はあなたの物件へ・・・!?
※2023年3月より、運営事業者が「株式会社JR東日本ソーシャルデザイン」さんへと掲載変更されています。
人も住まいも、それぞれのカラーがあるものです。
「マイノリティ」という言葉があります。
少し個人的な話になってしまいますが、自分自身、とあるマイノリティに属しています。そしてマイノリティの常ですが、どうしても、そのコミュニティを快く思っていない人というのが一定数いるものです。
社会に揉まれ、今ではそう思うことは少なくなりましたが、人と関わることに多少なりとも恐れを抱く時期もありました。
さて、LGBTという言葉があります。
正直、自分自身決して詳しいとは言えないのですが、こんなところをじっくり読んだりすると、「それは大変だよなぁ」なんてしみじみ思ったりする次第。
LGBTについてはそれぞれウィキペディアやらで勉強して頂くとして、彼ら彼女らもまた、一般的には(少なくとも認知の上では)マイノリティな存在なのではないでしょうか。他の少数派コミュニティと同様、いろいろな環境や人との関係のなかで暮らしていても、きっとまだまだ大変な時代を生きているのだろうと思います。
そしてたぶん、自分自身も含めてそういう方々が人と出会う際、受ける側へ求めることは、まず「理解がある」ということなのかなと。そういう人たちがいるんだと当たり前に思ってくれていること。共感とか、ましてや同情なんかはいらないのでしょう。
今回ご紹介する「Share Residence 阿佐ヶ谷」は、おそらく日本初となるLGBTフレンドリーの姿勢を打ち出したシェアハウス。
LGBTの方専用ということではなく、もちろんストレートの方も住むことができますが、当然のこと、その姿勢について理解があることを求められます。
ただし、そのコンセプト以前に、まず住まいとしての居心地が良く、カラフルでやさしい色彩に満たされた空間こそを、まずひつじ不動産としてはきちんと評価したいと思います。
普通な話、素敵な暮らしができそうな良い家なんですよね。
駅前の小さなレストランやバーがひしめく小路。その小路を抜けた先の住宅街に2F建ての建物が見えます。
正面玄関は目隠しのコンクリート塀の裏手。
アプローチには、部屋ごとに分けられた集合ポストが設置されています。
すぐ下には宅配ボックスの中サイズが2台、大サイズが1台設けられています。
ポストの鍵は、ポチポチと押すボタン式。
シンプルなデザインですが、ホワイトカラーと相まってかわいらしい感じです。
玄関のドアは、しっかりしたつくり。
右手の階段は非常口で、普段使いをするシーンはないかと。
では早速ドアハンドルのレバーを押して、内部に足を踏み入れています。
ドアを開いてまず出迎えてくれたのは、大きな黒板に書き綴られた歓迎の言葉。
玄関の壁一面を黒板にするのはなかなか見ないつくり。
ここには運営管理側の連絡事項が書き込まれ、また、入居者同士のコミュニケーションボードとしても使えるそうです。一番に目に付く部分でもありますし、わりと使い勝手の良いポジションだったりするのかもしれません。
黒板の左側には「Good Aging Yells」のサイン。
グッド・エイジング・エールズは今回の企画を立ち上げたNPO。LGBTが素敵な歳を重ねられる社会を応援する取り組みをされているのだそうです。
ウェブサイトを見れば、こんなメッセージが。
いろんな環境や人との関係の中で暮らしているぼくら。
「みんなでカミングアウトして、制度の見なおしを呼びかけよう」と、
大きく振りかぶるには、まだまだ大変な時代なのも確かです。
いますぐできることは少ないけど、ミライから想像することは自由。
「ぼくらにも心地いい、社会のしくみやサービスってなんだろうと
具体的なアイディアから、いっしょに考えていけたらいいな」
そんな想いが、もう一つのきっかけでした。
個人的には肩の力の抜けた、素敵でリアリティのある姿勢のような。
さて、右手に見える廊下の先にリビングがあります。
靴箱は部屋ごとに2足ずつ。基本的に、室内用のスリッパと普段使いをする靴がここに収まることになりそう。
廊下にはステキなウォールステッカー。
床材にはアクセントとして一部、タイルが用いられています。
廊下から見たリビングはこんな感じです。
それではドアを開けて、リビングを見て行きたいと思います。
北欧スカンジナビアン・スタイルの明るく開放的な空間に、無垢材のインテリア。
スタイリッシュだけど温かみのある、すっきりとした雰囲気です。シンプルですが、こういうテイストはあまり飽きないのではないでしょうか。
全体に、色彩の軸にはブルーをチョイス。
とは言え寒々しい感じはなく、どこか春を待つような、さわやかな印象です。楽しくてほっこりした会話が聞こえてきそう。
中央のダイニングテーブルは、普段は6人掛け。
実は天板に仕掛けがあって、パーティーや食事会の際には入居者全員が座れるサイズに伸ばすことができます。
キッチン上部にも、一部、黒板塗装が施されています。
さて、この住まいが持つ別の呼び名が「Colorful House」。
レインボーフラッグや多種多様な個性といった意味合いがあるのだと思いますが、このネーミングにちなんで専有部はすべて異なるカラーリングになっているそうです。
腰を落ち着かせてゆったりくつろぎたい時は、こちらのソファで。
さらに陽差しがたっぷり注がれる大きな窓からサンルームに出られます。
白木で囲まれた空間は、お気に入りのグリーンの日光浴にちょうど良さそう。
今後はテーブルやチェアも置く予定とのこと。
第二リビングとしての使い方もありそうですが、右手の窓は105号室でサンルームも共用です。105号室の手前ゾーンについては、ちょっとだけお互いの配慮が必要になるかもしれません。
続いてキッチン。
カフェのような素朴な木のテイストに、白タイルのスイートな壁が印象的。
アイランドタイプの作業台も設けられ、複数人での調理時間も楽しく過ごせそうです。L字のスペースにはシンクが2台、3口のガスコンロを1台設置。
中央に配置されたコンロは共用スタイルなので、煮込み系など、長時間、火を使う料理は他の入居者にひと声掛ける配慮をしたほうが良いかもしれませんね。
キッチンにはスタイリッシュな電気ケトルやトースター、コーヒーメーカーが揃っています。
コーヒー&トースト。
朝食は簡単に済ませるタイプの方は、よくお世話になるかと。
収納も豊富で、食器や調理器具も用意されています。
もし調味料などを共用で揃えるなら、ガラス瓶や陶器製のもので統一したらとてもカッコよくなりそうな予感。
レトロなデザインの冷蔵庫は、ユーズドとなって逆に人気の高いWill。
Willは花王、トヨタ自動車、アサヒビール、松下電器産業(現パナソニック)、近畿日本ツーリストの5社でつくられた共同ブランド。
異業種同士の斬新なプロジェクトで評判を呼びましたが、2004年に惜しくも解散。ただ、当時作られたこの冷蔵庫は今でも人気で、これ目当てに中古ショップをめぐる人もいるのだとか。
ちなみに発売時のコピーは、
「新しいのになつかしい。“遊びゴゴロと本物感”」。
か、感!? というツッコミは、10年を経た現代ならではでしょうか。
キッチンを出ると、廊下の壁一面が収納になっています。
するっと滑らかに引き出せるスライド式のボックスで、部屋ごとにスペースが割り当てられています。
ここでは長く保存できる食材や調味料を納めておく形になるかと思います。
では、水まわりを見ていきます。
脱衣室には洗面台が二つ並んでいます。
風合いの異なる接木の厚いボードなど、ナチュラルなテイストでまとめています。そして足元は、すっきりと見せるスタイル。あえて露出させた配管のひねりも、ともすれば先鋭的なオブジェに見えなくもないような。
バスルームは窓付きの明るい空間。
設備的に照明光だけに頼りがちな水まわり。脱衣室と同じく、やわらかい陽差しが入るだけで、くつろぎ度がけっこう違ってきます。浴槽も、足も伸ばせるゆったりサイズ。
トイレはウォシュレット付きです。
以前の名残だと思いますが、しっかりと手すりが設けられています。普段使うことは少ないでしょうが、体調を崩して力が出ない時、きっとその有り難みを知ることになるような。
さて、専有部は洋室と和室の2種類があります。
まずは101号室。和室です。
日本の伝統色で言えば、緋色に近い色合いでしょうか。落ち込んでいる暇がないようなビタミンカラーの空間は、自然とポジティブに、活動的になりそう。
備え付けのランプは独特な影を作り出しています。
ランプが置かれた長めの天板は机代わりにしても良し、本棚にしても良し(その場合は平積みがカッコよさそう)、小粋なTVボードとして据えても良し。色々なポテンシャル、ありそうです。
収納は押入れのタイプです。
中板があることで縦方向のスペースを余すことなく活用できます。
ふすまをするっとスライドさせると現れたのは、冷蔵庫。
ぴったりとはまったこの収まり感は、まるで冷蔵庫のためだけに設けられたよう。
102号室は、ブルーをアクセントに効かせた空間。
なによりも二面窓からの陽差しが、青のさわやかさをいっそう引き立てています。
収納は備え付けのクローゼットと、ベッド下にボックスが用意されています。
部屋の印象と同じように、荷物も少なくまとめてすっきりさせたいですね。
リビング脇に位置する104号室。
広さは102号室に比べ、ひとまわりコンパクトになったかなという程度。
ですが、こちらも二面窓で「狭いなぁ」という印象はありません。
ボーダーのクロスも、とてもカラフルです。
ちなみに部屋の位置がリビングに近いこともあり、ドアは防音性の高いものを採用。
カラオケやスタジオで見かける、ハンドルをグイッと上に持ちあげて閉めるタイプです。
ある程度の心構えは必要かもしれませんが、にぎやかな共用部の音も少なからず遮断してくれるはず。
105号室も二面採光です。どの専有部も、全体的に日当たりがよさそうです。
花柄に彩られた明るい空間。大きな窓の外は、先ほどのサンルームです。
共用ということもあり、住む方によってはなかなかカーテンを開けづらいかもしれません。とは言え、開けた時の開放感は、やはり抜群(なんせサンルームですから)。
レースのカーテンを閉めることで多少は見通しを調節できますが、やはりここは、あまり細かいことを気にしないタイプの方に入居して頂くのが良いのではないかと。
さて、続いては2Fへ。
コの字の階段を上っていきます。
階段をあがると、すぐ脇に洗面台が設けられています。
電子レンジやケトルも用意されていて、ミニキッチンとしても使えそう。
ドアの先は少し雰囲気が異なったフロアに仕上げているそうです。
がちゃりと開けて中に入ってみると、そこにも洗面台が二つ。
数えてみると洗面台は全部で5ヶ所。何かと混みあう朝の時間帯もわりとスムーズに過ごせそうです。
取っ手はアンティーク風のかわいらしい感じ。
厚めの台はモザイクタイルが敷き詰められ、フェミニンな佇まい。
裏手のドアはシャワールームとなっています。
廊下を進むと、突き当りに洗濯機と乾燥機が設置されています。
左手にちらっと見えているのは収納棚。洗剤やタオルを置いておくことができます。
シャワールームはシンプルなタイプ。
ちなみに浴室内には収納スペースはありません。
それぞれ、お気に入りのバスルームグッズをかごに入れて持ち運びするのが良いかと。
2Fのトイレもウォシュレット付き。
お花畑な空間です。なお、トイレはもう一室あります。
廊下には共用の収納スペースが設けられています。
専有部以外にモノを収める場所があるのは、部屋をキレイに保つためにも嬉しいのではないかと思います。
201号室は和洋折衷の独特なデザイン。
青×ウッド×障子でまとめた個性的な空間です。
実は共用部や専有部のすべてのデザインは、この建物のオーナーさん自らが設計したそう。
カラフルハウスというコンセプトを考慮にいれて作られたそうですが、彩りは多彩であっても、どことなくどれも落ち着いた雰囲気を持っているような気がします。
203号室は一番広い8畳ほどの部屋。
すっと伸びる二本の樹の模様に合わせたナチュラルなテイストです。
壁一面の収納は容量大きめで、荷物の多い方でもすっきり整頓できそう。
ポールハンガーは2ヶ所設置されています。季節や種類ごとに衣類をまとめたりと、収納上手になれそうなつくりです。
続いて、205号室の様子。
長方形の間取りに、シンプルな色合いのインテリア。
各部屋の壁にはポールハンガーが取り付けられています。
高さもお好みの位置に調整可能。
陶器のスイッチパネルは、専有部ごとにそれぞれ模様が異なるものを使っているとのこと。
こちらの部屋は明かり取りの天窓付き。
照明を灯さなくても、日中は明るい光が降り注ぎます。
専有部のドアはオートロックです。
ホテルでよくある、閉めたら自動的に鍵がかかるタイプ。締め出されないよう注意が必要です。
最後に、207号室。
正方形のシンプルな間取りはインテリアの収まりが良く、レイアウトし易いのが嬉しいところ。ピンクの華やかなやクロスも、白のかわいらしい家具を置けば相性が良いはず。
奥の掃き出し窓からベランダに出られます。
よく見るとレースカーテンの模様が映し出されて、花柄の影が床に浮かび上がっています。初めて見つけた時はちょっとうれしくなる演出です。
こちらはベランダの様子。
幅も広いため、いくつかプランターを置けば、あたたかなグリーンライフも楽しめそうです。
ポストの裏には、こんなデッキテラスも設けられています。
きちんと水道も通っていて、昼間であれば簡単な調理やBBQもOKだそうです。ちなみに近隣の配慮を兼ねて、夜間の使用は控えてほしいとのこと。
大切なことですから、この辺は順守の方向で、ひとつ。
シェアハウスの最寄り駅は、各線・阿佐ヶ谷駅。
多くの路線に乗り換えができる新宿駅までは直通で約10分。東京駅にも乗り換えなしで20分ほどでアクセスできます。
駅前には商店街や百貨店が並び、日常生活の用事で困ることは、あまりない環境ではないかと思います。
根強いカルチャーを持つ中央線沿線の街ですが、中野や高円寺と比べると阿佐ヶ谷はわりと落ち着いている気がします。
そうは言っても一度小路に踏み込むと、カテゴライズが難しい雑貨店や手作りの飲食店が軒を連ね、思わず足を止めてしまうような個性的な一面も。
刺激とやすらぎのある環境で、街歩きが習慣になりそうです。
さて、「Share Residence 阿佐ヶ谷」を運営管理するのは、個性的な物件を多数手がける「株式会社シェア・デザイン」さん。
今回は「グッド・エイジング・エールズ」さんとのコラボレーション企画。
先ほどもご紹介した通り、「グッド・エイジング・エールズ」はLGBTの方々が普通の社会人として生活することを応援するNPO法人。
理解のある人たちと気兼ねない暮らしを送ることができるシェアハウスは、ストレートの方も歓迎とのこと。否定も肯定も意識せず、どんな方でも気楽に過ごせる住み心地を目指したとのこと。
今後は季節ごとのイベントも予定していて、随時、玄関前の黒板に書き込んでいくそうです。
カラフルハウスに興味のある方は、コチラからお問合せをどうぞ!
般若心経の現代語翻訳には、こんな一節があります。
「正しく生きるのはけっこう難しい。でも、明るく生きるのは誰にでもできる」
まさか般若心経がこんな気の利いたことを言っているとは思いませんでしたが、今も昔も正しく生きることが難しいのは変わらないんですね。そして、明るくない人生より、明るくて楽しい人生のほうが良いということも、きっと変わらないはずです。
そんなことを思う時、シェアハウスという住まい方は、ひとつの選択肢としてとてもクリエイティブなのかなと思う今日この頃であります。
(ソン)

シェアハウス専門ポータルサイトのスタッフによる、シェア生活を楽しむための探検レポートブログ。東京、神奈川、千葉、埼玉、 そして全国各地のシェア賃貸住居をひたすら探検する専門ポータルサイトの隊員達。明日はあなたの物件へ・・・!?