映画とカフェとアトリエと

シェアハウス専門ポータルサイトのスタッフによる、シェア生活を楽しむための探検レポートブログ。東京、神奈川、千葉、埼玉、 そして全国各地のシェア賃貸住居をひたすら探検する専門ポータルサイトの隊員達。明日はあなたの物件へ・・・!?
カフェがアトリエ。って、言ってみたい。
こんにちは。今回のシェアハウス探検隊は、立川シネマ通りに誕生した「シネマスタジオ」です。
立川といえばオフィスビルや商業施設が建ち並び、今や多摩地域の中でも成長めざましい街のひとつ。駅にはファッションビルも併設され、いつも多くの人々で賑わっていますが、聞けばかつては映画の街としても知られた地域だったそうです。
活気ある駅前から数分歩いてみれば、駅周辺とは異なるのどかな街並み。そこには往時を象徴するように、シネマ通りと名付けられた道があります。そんな郷愁漂う場所に、今回の物件は登場したのでした。
特長はなんと言っても1階にカフェが入居しているという点。"カフェみたいな家”というのは最近ではよく聞く話ですが、ここではもはや、"カフェが家”。すべては仮想でなく現実であり、故に2階の専有部以外の空間はすべてカフェと共用という、ちょっと実験的なスペースでもあります。
基本的に「住むこともできるシェアアトリエ」との事ですので、セカンドハウスや創作活動の場として捉えてみるのも面白いかもしれません。
シネマ通りに佇む、哀愁ただよう渋い建物。
こちらがシェアハウスの外観。1階は元々焼き肉屋さん、元雑貨屋さん、現在カフェ。
そしてcloud cafe の入口は、シェアハウス、じゃなくて住むこともできるシェアアトリエの入口ということでもあります。
入ってみると、そこはカフェ以外の何者でもなく、案の定洒落ていて。
白と黒を基調としたインテリアに、床と天井の質感の相性もよく。
人をもてなし、くつろぐことが前提の店内ですから、一般住宅のリビングと比べて動線が短く簡潔です。
そして、こちらは入居者専用のアトリエスペース。共用パソコンもあります。
お客さんの迷惑になるような作業はもちろん控えた方がよいのでしょうが、カフェの営業時間中(11:00~21:00)も利用可能です。アトリエとはいえ飲食店内ですので、最低限の配慮は必要、という事で。
さて、こちらはキッチン。
基本的な調理器具はさすがにすべて揃っています。
つまり、こちらもカフェと共用。カフェのキッチンが我が家のキッチンです。もちろん営業時間内も使用可能ですが、多忙時は原則禁止とのこと。
料理好きの方は営業時間外の利用をオススメします。
食器もカフェのもの。
既にひと通りのキッチン家電は揃っていますが、今後ヘルシオなども搬入予定とか。
続いて水周りの設備を見てみます。まずは洗面所から。
この、無機質で白くむき出しの壁は、知ってか知らずか、ちょっとマルタン・マルジェラのメゾン風(ポジティブに捉えます)。洗濯機と洗面台、扉の先にトイレ兼シャワースペースが1つあります。
もちろん入居者3名に対しては十分機能する台数ですが、洗面台とトイレはカフェと共用なので、基本的にお客様優先。洗面台の左手にあるレトロな洗濯機は、今後新しく乾燥機付きの洗濯機に変更される予定とのこと。
THE TOILET.
こちらはバスルームとトイレ。がっつり隣り合わせていますが、いちおうトイレとバスルームの間はカーテンで仕切ることができます。スペースは広々として使いやすそうなのですが、バスルームの使用は営業時間外のみとなるので要注意。
徒歩圏内に銭湯があるので、いざとなったらそちらもどうぞ。
後ろを振り向くと、窓にはこんなレトロな磨りガラスが。
では、階段を上って専有部へ向かいます。
階段を上りきると、シューズボックスがあります。
1人1段ブラスアルファ。多からず少なからず、といった様子です。
では、専有部へ行ってみます。まずは202号室。
どやさっ!と言わんばかりの簡潔なお部屋。しかし創作スペースとして活用するなら、むしろウェルカムな作りと言えそうです。
壁の板もそのままに。創作意欲が刺激されるでしょうか。
しかし、チラリと不穏なものが見えています。
上を見上げると、強烈なインパクトのエアコンが君臨。
こちらはどうやら、焼き肉屋さんの名残のよう。このエアコンの使用は3部屋共用ということで、部屋ごとの壁が完全に仕切られていないのが、この物件を考える上で大きなポイント。暑さ寒さの素朴な疑問や、防音面なども含め、やはりスタジオとしての利用や、この物件ならではの独特なライフスタイルに理解のある方にオススメしたいところです。
でも、きっとNYのロフトなんかも昔はこんなだったのではないでしょうか。
鍵はベーシックに。
窓から見た外の景色。のどかです。
続いて203号室。
こちらは本棚付きの広々スペース。
天井がすごいことになってます。
ロケットのような剥き出しのダクトが3本、ずらりと。
こちらのお部屋は押入れ収納付き。
その隣りから、サンルームに出ることができます。
こちらがサンルームの様子。塗りかけのペンキと日の射し加減、マルジェラ風その2。
さて、最寄駅は各線立川駅。不動の人気、中央本線沿線でもあります。
各線立川駅からは、新宿まで中央特快で30分、東京まで42分、吉祥寺まで17分。
多摩地区の主要駅なので特快や快速が止まり、直通で行ける場所が多いのも嬉しいところ。周辺には緑も多く実はなかなか好立地の立川、面白い物件を企画するにはダークホース的なエリアかもしれません(運営事業者の皆様、無保証ですけど・・)。
今回探検した「シネマスタジオ」を運営するのは、新規の運営となる「株式会社リライトデベロップメント」さん。
「立川空想不動産」という、街づくりからビジネスと地域の活性化を目指したプロジェクトを運営されています。時代の流れで街も急速に変貌を遂げる中、かつては華やかだった地域が衰退していく姿を見るのは、なんとも心苦しいもの。
そんな人々の心苦しさを喜びに変えるべく、新しい街のカタチを提案されているそうです。今回のプロジェクトにも、実はシャッター通りの再生という裏テーマがあります。
今回取材に訪れた際も、「何やってるの?」と興味津々にのぞき込むご近所さん方に、気さくに返事をするリライトデベロップメントの籾山さんの姿が。シネマスタジオがシネマ通りのみんなの居場所になろうとしていることを象徴する、とてもあたたかい光景でした。
名前からも伺えるように、今回の物件はあくまでもスタジオというスタンスでクリエイションの場を求めている方々には必見と言えそうです。
ちなみに入居されている管理人兼住人さんは、ずばり美大の職員。この物件のバックグラウンドをもってして、ここからワクワクな何かが発信されるであろう気配は容易く察せる次第です。
新しいことや楽しいことが好きな方、「カフェがアトリエなんだよね」と言ってみたい方、お問合せはコチラからどうぞ。
こちらが噂のシネマ通り入口。
そう言えば、そもそもなぜこの界隈から映画館は姿を消したのでしょう?
気になり少し歴史を辿ると、さかのぼること1920年代。当時、陸軍飛行第5連隊の立川飛行場が設置されたことにより、たくさんの兵隊がこの地区へ移駐されたそうです。その場所に、彼らの慰安施設として「キネマ立川」が誕生。戦後、キネマはシネマに名を変えながら、繁栄期には10軒以上(!)の映画館が立ち並び、シネマの街と呼ばれるまでに成長したそうです。
しかし、月日とともに基地は縮小。時代もシネマからテレビへと移り変わり、すべての映画館が衰退しながらも、この通りの名前だけは自然と残ったそうな…と、ちょっと寂しいお話でしたが、今度はシネマの名を持ったスタジオから、また新しい何かが始まるかもしれません。
ちなみに南口には日活大通り商店街もあるそう。街に歴史あり。
(ホン)