鉄のニオイ、木の感触

シェアハウス専門ポータルサイトのスタッフによる、シェア生活を楽しむための探検レポートブログ。東京、神奈川、千葉、埼玉、 そして全国各地のシェア賃貸住居をひたすら探検する専門ポータルサイトの隊員達。明日はあなたの物件へ・・・!?
※2022年9月より物件名が「COURI016 両国」へ変更されています。
その格好良さに、いつも憧れていた。
子供のころ、家具職人であった父親の工場へ訪れた時のこと。
鉄とオイルの匂い。鈍い金属音。切り出す様々な木材の脇には、小刀で削られた鉛筆。日常からかけ離れた重機の並ぶ光景に興味をそそられ足を踏み入れると、コラ!と厳しく叱られる。工場とは未知の領域であり、憧れた世界でもありました。
工場の風景というのは面白いもので、単純な作りの大ぶりなアイアン製のライトや特大のデスクがあったかと思いきや、説明を聞くまで用途が分からない謎の機具があったり、はたまた自作の名もない用具が転がっていたりします。
それらに一貫して通ずるのが「機能美」というキーワード。丈夫で使いやすく、応用が効く。奇想天外なフォルムの機具も、職人の手に渡れば魅力的なアイテムに見えてしまいます。
「COURI016-R」で体感したのは、無骨で大ぶりながらも使い勝手が良さそうな空間。工場の現場で味わった格好良さに似ています。
建物全体には、下町の町工場をモダン・アートな切り口でインテリアに落とし込んだかのようなテイスト。両国という土地に不思議とマッチするストリートスタイル。
そこに在るのは未知の居心地。クラフトマンシップ溢れる空間に対する調理の手際を、のぞきに行きたいと思います。
道のりは高架下を行ったり来たり。線路に沿って移動します。
歩くこと5分。公園の手前に見える、ひときわ目立つ無骨な建物が今回のシェアハウスです。
四角いフォルムが並ぶ直線的な外観。図らずも電線までもが、建物を演出しているかのよう。
脇に寄り添う螺旋階段は、ビジュアルインパクトの無骨をより一層際立たせます。
正面玄関部分も例に漏れず直線的。
よく見てみると、玄関脇にはグリーン。室外機カバーはウッディテイスト。ハードな印象の中にも親しみは持ちやすい印象をミックスしています。
シェアハウスのサインは「R」の1文字。正円にタイポグラフィと、至極シンプルなデザインは工業的な美学を感じたり。
玄関扉も想像通り重量のあるもの。ぐっと力を込めて開ける必要があります。
玄関の先はダークトーンで統一されたエントランスが広がります。
随所に小技が効いたエントランス。たとえば、正面のモザイクタイルのようなコンクリ壁は、表情の異なるグレー色を塗り分けることにより表現。
壁には黒板塗装が施されています。
元の壁の色とのツートンカラーがスタイリッシュ。単純にインフォメーションボードとして活用するだけでなく、イベントや季節に応じて、色々と書き込んでみるのも面白そうです。
郵便については、エントランス正面のテーブルに置かれたトレーに仕分けることになるのだそう。
各階ごとにトレー1つ。いかんせん容量が心配ではありますが、まだ仮運用とのこと。事業者さんとの随時調整といった感じになるかなと思います。
壁には指差しアイコン。そう、ラウンジは右手のドアの奥にあるのです。
ラウンジの扉は防火扉。イベントごとでも無い限りはいつも開いているものだと思います。
正面にキッチン。手前にはカフェテーブル&チェア。そして、デスク、ソファと、様々な要素がバランスよく収まったラウンジ空間が広がります。
無骨な素地のテイストを残したこの空間を、一言で表すとすれば“クール”。
アイアンを上手につかったバランス感覚のある格好いいインテリアしかり、鉄に触れた時のようなひんやりとした感触があります。
キッチンカウンターやソファ、チェアから感じるウッドの暖かさの程よく良い感じ。
工場などで見かけそうなアイアンサッシが並ぶロケーションで、ヴィンテージ感の溢れる家具に囲まれた暮らし。
トレインスポッティングでユアン・マクレガーが暮らしていた部屋の雑然とした感じや、コーヒー&シガレッツのモノクロの中にある熱を持った空気感。これらが好きな人は、がっしりと心を掴まれるかと思います。
こんなところにも、遊び心が転がっています。
目を向けるのはタイルの床。
アイボリー✕カーキとワークテイストなカラーリングのチェッカーフラッグ柄は、実はペイント。床に直接塗料を塗って仕上げたとのこと。
思い浮かぶつなぎを着てペンキ缶をもって塗装する風景も、このラウンジだと映画のワンシーンのように絵になります。
道路に面したラウンジの一角には、大きな窓を活かしたデスク席が設けられています。
インダストリアルデザインのデスクランプとチェア。できればノートPCよりも、紙と鉛筆で作業をしたい。固めのパンとコーヒー。暖かいチャイでも良いですね。
ただし、お行儀よく背筋をピンとするのはイマイチ。少々ラフでもよいから、存分にくつろぐ。これこそ、このラウンジを楽しむポイントだと思います。
つづいて、キッチンを見てゆきます。
ラウンジの奥、この空間の顔とも呼べる存在であるキッチン。
深い色合いの木のカウンター・テーブルをはじめ、使い込むほど手に馴染むツールが並びます。
カウンターの奥には、3口IHコンロが2機にシンク2台と機能面も充実。
このシンクが左右両端にあるという設計、個人的には大好きです。食後の片付けが随分と捗るのです。
というのも、互いの食後の片付けを干渉することなく自分のペースでできる。同時進行で片づけする際は、おしゃべりをしながらだと気持ちよく作業できます。
気づけば食器はすべて洗い終わっているなんてこともしばしば。そこまで来れば、水切り器に重なる食器をタオルで水気を取り食器棚に片付ける。これで、次も心地よくキッチンを使い始められるのです。
カウンター下にはアンティークな香りのする薬棚。
長方形の小ぶりな棚は調味料を保存するのにピッタリ。引き出しは部屋数分しっかり確保されているので、こだわりの調味料を揃えている人は他の人とのバッティングの心配がなさそうです。
カレーはスパイスでこだわる方、ドリップコーヒーの達人さんなどの棚は一度覗かせてもらいたいなどと、妄想が膨らみます。
何気なく準備されたワゴンの風合いも良い感じ。調理の際、臨時の調理台としても活用できるかも。
カウンターテーブルは料理をズラリと並べると絵になりそう。
よくある風景としては、住人さんのおみやげものが並んでたりしそう。住人同士のコミュニケーションのツールとしても活躍しそうなスポットです。
キッチンの脇には貯蔵庫が設けられています。
大型の冷蔵庫とストック用のシェルフ。
食材はカゴなどを用意して個別に管理する必要が有りそうですが、スペースに余裕があるので、すっきり整理整頓できるかと思います。
貯蔵庫の反対側のキッチン脇には、水まわりが設けられています。
ドアを開けると洗面台、正面にトイレ。右手奥には脱衣室とバスルームがあります。
洗面台まわりはコンパクト。
ゆとりのある脱衣室にはシェルフが設けられていますが、各自の洗面用具を置き場としてではなく、トイレットペーパーなど備品関係のストック場所として活用したほうが便利かもしれません。
というのも、パブリック感のあるラウンジを湯上り姿ではあまり横切らないだろう、と予想。各フロアに設けられたバスルームがメイン、こちらのバスタブはサブ利用といった感じになりそうだなと感じます。
でも、大きめのバスタブがあるのは嬉しいこと。
ホワイトボードなどを用意して混み合わないよう工夫することで、バスタイムを満喫したいところです。
ちなみに、トイレはウォシュレットつきです。
建物は6階建て。見ての通り年季の入った建物です。
覚悟はしていたものの、エレベーターはなし。
2-5Fが住居フロアですから、4-5Fの方は毎日結構運動になりそうです。
ただ、ラウンジで寛ぐために毎度1Fまで降りるのはとても面倒なこと。
ここで、うーん困ったな…と首を傾げる必要はありません。6Fにもう一つ、ラウンジがあるのですから。
おそらく4-5Fの方は、6Fのラウンジがメインとなりそうです。
屋上のウッドデッキテラスなど、1Fラウンジにはない魅力もアリ。どちらのラウンジが好みかによって、どのフロアの部屋を選ぶかも変わってくるかと思いますので、よく見ていきたいと思います。
こちらが6Fのラウンジ。
1Fのラウンジに比べると少々コンパクト。ですが、ソファにカウンターテーブル、キッチンもありと、設備に不足はありません。
それぞれの要素の距離感が近くなった分、アットホームな雰囲気が強くなった気がします。
1Fがコーヒーを飲んでいるイメージであるならば、6Fはワインとチーズでまったりしているイメージ。
「今日は1日家に居て、のんびり寛ぐぞ」という休日ならば、こちらスペースのほうがしっくりきます。
キッチンも近いので、パパっと作れる手軽な料理をこしらえる。ラウンジの脇には屋上のウッドデッキで洗濯物を済ませる。ひととおり家事を済ませた後に、ビールをプシュっ。
たまに満喫したくなる完全オフの日。ケータイの電源も切ってしまって、うーんと伸びをしてください。
さて、キッチンの設備をみてゆくと、
3口のIHコンロが1機と、シンクが1台。水栓ノズルは伸びるタイプなので、シンクの隅々まで洗い流せます。
キッチン下部の収納スペースも、スライド式と使いやすそうです。
ラウンジ奥右手のドアの先には、こんなスペースが設けられています。
まだ、がらんとした真っ白なスペース。
こちらでは、シェアクローゼットという企画を考えているのだそう。
昨シーズン、あまり着ることのなかった服はこちらに移動させて、部屋のクローゼットをすっきりさせる。もしかすると、貰い手が見つかるかもしれない。
使い方次第では、自由度がうんと高くなりそうな予感がします。この企画には期待したいところ。
掃き出し窓を開けると、ラウンジをぐるりと囲んだウッドデッキテラス。広さにも余裕があります。
目の前には中央線が走っているため、視界を防ぐものはなし。晴れた日であれば、スカイツリーも見えるのだそうです。
奥には洗濯機が設置されています。
休日、少し早めに起きて洗濯を済ませれば、ラウンジでくつろいでいる間に洗濯物も乾きそうです。
雨が続く季節は、1Fの秘密兵器が役立ちます。
エントランス脇にある見落としがちな扉を開けると、ドドン。乾燥機がズラリ。
そのまま、住居フロアを見ていきます。まずは2F。
赤いカーペットのところから土足禁止。
入り口脇にある靴棚は部屋数を考えるとコンパクトなので、使用頻度の高い靴やスリッパなどを並べるのが良いかと思います。
各フロアはカーペットの敷かれた廊下に沿って水まわりとトイレ、部屋が並んだ間取りとなります。
面倒くさいという気持ちが、家事をする上で一番の大敵。
洗面台や洗濯機など、よく利用する設備が各フロアに揃っているのは、快適な暮らしを支える重要なファクターだと思います。
水まわりの設備はというと、洗面台と洗濯機。洗面台の対面には、脱衣室とシャワールームが設けられています。
シャワールーム、脱衣室ともに広さには少し余裕があります。
トイレは2室。ともにウォシュレット付き。窓があるのがプラスポイントですね。
それでは部屋を見ていきます。
まずは201号室。
2面窓とカーペットの床が特徴の部屋。
部屋の一角にはポールハンガーが取り付けられた棚板が設置されています。
どの部屋にも言えることですが、収納スペースは基本なし。見せる収納術を駆使していただければと思います。
棚板の素材感からすると、ブリキの衣装ケースや、壁に立てかけるラダー収納だと相性が良さそうだな、なんて。
また、道路に面している窓は2重窓仕様。
せわしなく行き交う中央線の音も、これで結構軽減されます。とは言え電車は頻繁に通るため、音の具合については現地で慎重に判断されるのがベストかと。
こちらは202号室。
基本的に部屋を構成する要素は201号室と変わりませんが、長押が壁2面に渡されているため、少しウッディな雰囲気に仕上がっています。
そして、シンプルな壁の中で存在感を放つ照明スイッチ。
あえて配線を外に出したというラフなテイストは、部屋の良いアクセントになるかと思います。
アイアン&ウッディなテイストを踏襲するのも良いですが、ブラック&ホワイトといったモダンなアイテムにもしっくり来るかなと。
部屋のドアノブはメタル仕様。細部まで抜かりなく、キメてくる姿勢にドキッとします。
では、続いて3Fへ移ります。
カーペットの廊下を含めて、基本的に間取りは同じ。
ただ、廊下の照明は丸いシェードからコパー色のメタルシェードに変更されています。
クラシカルなフォルムや光の反射加減により、2Fよりも少しあたたかい雰囲気に感じられるかなと。
こちらは302号室。
ちょうど202号室の真上に当たるため、間取りは全く同じです。
カーペットがブラックなためか、空気が心なしかパリっとしたような気がします。
また3Fはちょうど線路と同じ高さ。
線路に面する301-304号室では、この黄色い車両を眺めるのが日課になりそう。普通の人にとっては慎重に判断したい環境ですが、「これは…!」という人にとっては絶景と言えるかもですね。
こちらは道路に面していない305号室。
他の部屋に比べてコンパクトですが、2面に窓があるのは嬉しいところ。
また、天井付近はざっくりと粗め仕様。エッジ効いてます。
4Fは、2-3Fと間取りが異なります。
カーペットの廊下はグリーンになったほか、水まわりは2-3Fより充実しています。
洗面台も洗濯機も2台ずつ。これにはワケがあり、実は5Fの住人さんの水まわり設備も兼ねているとのこと。
ですので、4Fの人のみがより余裕を持って利用できるということではありません。ただ、洗濯機や洗面台は部屋数相応の数が揃っていると思いますので、混みあうこともあまりないかと。
洗面台の対面にはバスルームが設けられています。
バスタブは足が伸ばせるゆったりサイズ。うっかり長湯し過ぎないようにだけ、気をつけて。
廊下の突き当りにはシャワールームも設けられています。
あくまでバスルームがメインになるかとは思いますが、サブとして浴室があるのとないのでは安心感が違います。
では、部屋を拝見。こちらは402号室。
光沢の入った壁紙が印象的。
大胆なカラーリング&ストライプ柄はどことなく、ストリートカルチャーを連想させます。
照明は壁面のレールダクトに取り付けられているのもポイントのひとつ。
このレールダクト、ダクトホームセンターなどで配線ダクト用コンセントを調達してくれば、かなり便利に使えるかと思います。
こちらは405号室。
壁の一面がブラウン調の壁紙仕様になっている以外は、基本的には305号室と同じです。
各部屋にはTVアンテナとLANポートが配備済み。
サインは、部屋ごとにタイプフェイスが異なります。
最後に、5Fの部屋を見ていきます。
広さにもゆとりがある502号室。5Fは他のフロアより天井に高さがあるため、開放感があります。
額縁が並んだような壁紙には、実際にフレームを並べるディスプレイをしてみても面白いかも。
窓が大きく日当たりも良いので、大きめのグリーンを育てるにも良い環境かと思います。
駐輪場は建物の脇にある、螺旋階段前です。
撮影時にはありませんでしたが、この後で駐輪スタンドを設置されたと聞いています。
こちらは現地でご確認いただければと。
「COURI016-R」の最寄り駅は、JR中央・総武線と都営地下鉄大江戸線が交わる両国駅。
最寄り駅が中央線というのは便利なもので、新宿まで乗り換えなし(18分)で移動できます。
特に東京東側であれば秋葉原まで4分、山手線に乗り換えて東京駅、上野駅ともに11分とアクセス良好。
大江戸線を使えば、六本木や青山一丁目というスポットも乗り換えいらず。痒いところに手が届きます。
両国の街は、言わずもがな相撲の街。街を歩いていると、力士さんとすれ違うこともしばしばあるのだそうです。
隅田川沿いには下町の風景も健在だそうで、ふらふらと散歩をしてみれば、各所で日本の文化を再確認できるかも。
自転車をもっていれば、隅田川沿いを北上してスカイツリー〜浅草と観光気分を楽しめそうです。また、馬喰横山あたりのおしゃれなカフェを楽しむのもよいかと思います。
管理をされるのは「株式会社シェアカンパニー」さんです。
ひつじ不動産では既に顔なじみのCOURIシリーズ。様々な角度からの暮らしに対するアプローチは、いつも新鮮です。色々心配ごとがあっても、「迷ったらやる」というタイプですね。
今回は、両国というジャパニーズカルチャーな土地柄を新しい解釈をもって、とても巧妙に再構築した意欲作。
それを可能とする自由な発想は、運営スタイルにも表れています。基本的には、入居者さん同士での話し合いによりルールが決まってゆく、非常にD.I.Y.なスタイル。それ故に、同じCOURIシリーズでもハウスルールや雰囲気、暮らし方のコツなんてのも物件さまざまです。
昨今では耳触りの良いD.I.Y.も、当然のこと、色々と苦労があります。アレやコレやの事態を踏まえた上で、なお「それだからこそ、楽しめる!」と思えるなら、今回もまた得がたいほどに自由度の高い好環境と言えるはず。
聞けば、COURIシリーズの入居者さんが集まってイベントを行うこともあるそうなので、ルールを参考にしたり、他の物件とのギャップを楽しむのも醍醐味かと思います。
可愛いテイストの物件が多い昨今、どこまでも無骨でロックで意欲的なテイストの物件。男子のハートにはグサリと来るはず。
ハートを一突きされたならば、まずはこちらからお問合せをしてみて下さい。
もちろん、メンズライクなインテリアを住みこなせる女性も大歓迎です。
「R」に込められた想いとは?
リノベーション?リミックス?それとも、ロック?
残念ながら、どれも不正解。
おもわず笑顔がこぼれてしまう正解は、内覧の時にご確認あれ。
(イシクラ)