吉祥寺に帰ろう

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中央線・吉祥寺の風景。


中央線沿線を語るとき、サブカルチャーのことに触れないわけにはいきません。

好き嫌いはともかく、とことん何かに夢中になってしまう人ほど意識してしまう存在。それが、サブカルなんだと思います。

かつて中央線ピープルであったころは、高円寺の古着とライブハウス、中野のまんだらけ阿佐ヶ谷団地とアニメストリート、西荻窪にならぶ飲み屋の数々に、ずいぶんとお世話になったもの。今でも、コトあるごとに足を運ぶホームタウンのひとつです。

吉祥寺もそんな街のひとつですが、他の街とはすこし違った側面もある気がします。

4月にオープンした駅ビル・キラリナをはじめ、北口にあるコピス、ヨドバシカメラ、マルイ、東急百貨店といった大型の商業施設が集中する駅の周辺部。たくさんの人々が往来する景色には、一見してメインストリームのキャッチーな香りが色濃くただよいます。

でも、街を歩いていると、どこか時代に取り残されたような懐かしい風景が、まだらな模様を織りなすように顔をのぞかせるのです。ハモニカ横町、ライブハウス・曼荼羅、バウスシアター(惜しくも2014年6月に閉館)など、今でも随所に独特の時間が流れています。現代の街並みのなかに渾然一体となって織り込まれたこの風景こそが、吉祥寺のサブカルチャーの根源だとも思えます。

吉祥寺ゲストハウス」もまた、そんな吉祥寺のまだらな風景を構成するピースのひとつ。はじめて訪れたのは、もう6年も前のこと。以来、1~2年に1回のペースで再訪していますが、玄関に張られたポスターしかり、いつ訪れても変わらぬ佇まいです。

正確にいえば、庭がリニューアルされたり、ソファが新調されたりと、年々着々と快適な空間になっています。ただ、この家に流れる空気は不思議と変わっていくことがありません。玄関に足を踏み入れるたびに、住んでもいないのに「ああ、帰ってきた」という気持ちになるのです。

この記事から6年の月日が経ちました。吉祥寺の今と昔が交わる家、吉祥寺ゲストハウスの再訪記です。


吉祥寺駅の北口改札を出るなり、すぐに右折。中央線の線路に沿って東へ進みます。

バーや居酒屋を横目に7分ほど進んで左折すると、たちまち住宅街に。

道幅の広い道路の一角には公園も見えたりと、退屈することのない街並みのなか足を進めること8分ほど。庭のパラソルが塀越しにのぞく「吉祥寺ゲストハウス」が見えてきます。

変わらない玄関まわり。奥の清水寺らしきポスターは、はじめて訪れた2008年からずっとこの場に居座っています。

玄関脇には靴棚。ご覧の通り、ぎゅっと詰め込めば割と収納できます。背の高いブーツも、横にすると上手に収納できるようです。なるほど。

郵便物は、門のところに設置されたポストにまとめて投函されます。気付いた人が靴棚の上にあるレターボックスに振り分ける、最近ではすこし懐かしいルールのよう。

建物内の間取りは回遊式。左へ進んでも、右へ進んでも、一番奥にあるラウンジに繋がっています。

ちなみに最短ルートは、玄関を入って廊下を右に進むルート。


一見、壁にも見える白いドアを開けるときには、かすかにぎっときしむ音がします。そして目の前に、隠れ家のようなラウンジが姿を現します。

床も柱も天井も、木材はオイルをしみ込ませたような濃い色に変わっています。

使い込まれた空間ならではという感じの、角のない丸みを帯びた雰囲気。はじめて訪れる人も、きっと不思議な既視感を覚えることと思います。

ラウンジの奥は、たぶん食卓。

ソファに座っても程よい高さのテーブルは、意外に食事もしやすそう。

窓から差し込む陽射しもほどよく、気持ちいいです。おもむろにソファに腰掛けて、近くにあるギターを弾いてみたくなります。はっぴいえんどの「風をあつめて」「夏なんです」を風鈴の音にのせてみたら、ちょっとやり過ぎな気もしますが、やっぱりよく似合うと思います。

風街ろまん風のソファスペースの反対側は、テレビを囲んで談笑するスペース。

リビングというより「居間」の響きのほうが似合います。

モケット地のグリーンのソファや天井に吊るされたアイアンシェードは、今回、はじめてお目にかかりました。

空間にあったモノ選びもさることながら、空間全体をつつむ雰囲気が、新しくやってきた家具を一層引き立ててくれる気がします。

グリーンのソファのとなりは本棚スペース。

種類の違うカラーボックスにCDラジカセ(!)、リラックマのとなりには富嶽三十六景の沖波のタペストリー。

ここは「もう1このミュージックコーナー」。

某「遊べる本屋さん」風のポップは、よく見れば「KICHIJOJI GUESTHOUSE(吉祥寺ゲストハウス)」の文字。痺れます。

今回に関して言えば、まとまりのないこの雑多感こそが魅力だと、ずばり言い切ってしまいます。

「もう1コのミュージックコーナー」の対面には、ビョークやパティスミスのポスターが。

脈絡なく置かれたように見えるハイチェアは、ギターを弾く時に重宝すると思います。そう考えると、ミュージックコーナーにハイチェアがあるのは不思議ではないのかも。


キッチンはスクエアな間取り。

向かい合わせに置かれた冷蔵庫以外は、いわゆる「ザ・台所」といった趣き。

業務用のシンクとガスコンロが2台。作業台の面積こそ少ないもののキッチンの空間は十分余裕があります。2〜3名であれば同時に調理することができそうです。

鍋やフライパンはかなり使い込まれていますが、ひと通り揃っています。

部屋ごとに振り分けられたキッチン棚を上手く活用すれば、自前のキッチンツールを持ち込む余地もありそうです。

細工なしのシンプルな設備は、長年使われて続けて残るべきものだけが残った姿なのかも。あるいは、「住めば都」の類いの設備かもしれませんが、「いやいや、なんとなくでしょ」という気もします。

いずれにしても見る限り、今なお使用頻度は高そう。つまりは、使えるやり手のキッチンということなのでしょう。


ソファ脇の白いドアは庭への出入り口。

このドア、表面が壁と同じ漆喰で塗装されていることもあって隠し扉のような存在感。そして、開けたドアにはどこかの展望台のスナップ写真が貼られています。

こんな具合に、随所に見つかる愛嬌にキュンときます。

テラスと言うか、庭は2013年の夏にリニューアルしました。

最近になって石畳が敷かれ、デッキテーブルとベンチも配置されました。大きなパラソルが日陰を作っています。土が残る部分には、芝生にくらべ葉が長く青々としたタマリュウが全面に植えられています。

写真は庭をリニューアルして間もない頃のもの。今はもっと緑が生い茂っているとのことです。

白い建物と緑のコントラストが、よりいっそうチルアウト感を演出します。

日中は暑いかもしれませんが、早朝や夕方は心地よい風を感じられそう。物干し竿も用意されていて、洗濯物も気持ちよく干せそうです。


水まわり設備は、廊下添いに点々と設けられています。

玄関のすぐ隣にあるのは洗面台。

洗面台というより、流し台ですね。ノスタルジックな光景です。

冷水とお湯は、それぞれ専用の蛇口が設けられています。

洗面スペースの隣はランドリー。

ランドリーは2013年に改修を行ったそうで、比較的新しめの洗濯機が設置されています。

洗濯機・乾燥機はそれぞれコイン式です。

肝心のシャワールームは、良い意味で期待を裏切るスタンダードなユニットタイプ。清掃もしやすそう。

一方で、貫禄ある存在を見せるのは、シャワーのコイン投入機。近年ではなかなかお目にかかることが少なくなったコインシャワーです。

小銭を用意するのが面倒ではありますが、シャワーの利用が短くなり、混み合うようなことが起こりにくいのはメリットかもしれません。また、利用量の多い人とそうでない人がそれぞれフェアに使えるとも言えるかと。おそらくこのお陰もあり、共益費は無料になっていますしね(2014年7月)。


階段を上がった先にも、情緒のある光景が続きます。

廊下添いに設けられた流し台はこんな感じ。

要所要所に見られる英語表記の注意書きが、10年ほど前のゲストハウス(外人ハウス)の雰囲気を残しています。

この佇まいだと、トイレは当然気になるところ。

ご覧のとおり、男性用と女性用に分かれたトイレはウォシュレット&暖房便座機能付き。清掃も頻繁に入っているようで、清潔感がありホッと安心です。

こういうところは、古い建物でもとても大事だと思います。

トイレは1Fと2Fに、男性用・女性用がそれぞれ1室ずつ設けられています。


それでは、部屋を見ていきます。

こちらは101号室。

以前は年季を感じる洋間だったのですが、フローリングに張り替えられパッと明るい印象に。淡いグリーンのカーテンを基調とした、やわらかいカラーリングが落ち着きます。

収納は、押し入れだったスペースを改装。アコーディオンカーテンがドアがわりに設置されています。ドアの引きしろを考えなくて良い分、家具のレイアウトはしやすそう。


こちらは210号室。

足下に収納スペースが集約された、ちょっと変わった間取りの部屋です。

収納のドアがわりのアコーディオンカーテンが、個性的な壁紙に見えなくもないかも。

窓から庭を見渡して、吉祥寺のエアスポットを堪能することもできます。

部屋のドアの前には、手のひらに収まるサイズの小さな絵が。


自転車の駐輪スペースは、玄関前です。

スペースに限りがあるため、使用する予定の方は入居前に空きを確認したほうが良さそう。なお、屋内への自転車の持ち込みはできません。雨が気になる方は、カバーが必要になるかと思います。


最寄り駅はもちろん、各線・吉祥寺駅

新宿方面、渋谷方面ともに乗り換えなしでアクセスできる立地の良さは周知のとおり。

調べてみると、2014年の春から京王線で「新宿駅・渋谷駅ともに利用できる定期券」なるものも発売されているとのこと(便利!)。

また、冒頭でも触れたとおり「吉祥寺キラリナ」がオープンし賑わいをみせるここ最近の吉祥寺。まだまだ、便利に進化しそうです。

実は西荻窪駅も徒歩圏内。よりディープな夜を楽しみたい時は、西荻窪の焼鳥屋で一杯飲んではいかがでしょうか。

自転車があれば、ひょいと井の頭公園にも足をのばせます。

駅周辺の賑わいと井の頭公園の自然、そしてどこか下町のような懐かしい風景が絶妙なバランスで混在する居心地のいい環境。「住みたい街ランキング」で常に上位をキープする総合力は、やはり魅力的です。


運営・管理は「株式会社スペース」さんです。

スペースさんは、中央線のディープスポット・中野に事務所を構える不動産屋さん。中野を起点に、立川・八王子といった都内各所から川崎や船橋まで、不動産業では広くカバーしているのだそうです。

吉祥寺ゲストハウスの運営をはじめたのは、2007年の9月から。以来、週3度の清掃&メンテナンスはずっと継続しているということですが、いつ訪れても変わらない姿のラウンジがその姿勢をきちんと物語っています。

ラウンジや共用部分は、まとめて一気に改装してしまう手もあったのかもしれません。でも、「ただいま」と言ってしまいたくなる心地よい空間は、たぶんコツコツと補修や手入れを続けていないと生まれなかっただろうなと思います。

これからも、この家の歴史は続いていくはず。たくさんの人に大切に住み継がれてきた吉祥寺の家。その歴史に参加したい方は、こちらからお問合せをどうぞ。


平日は都心でバリバリ働いて、オフの日は公園で喧騒から身を遠ざける。そして、自宅では毎夜ロマンと情緒に浸るライフスタイル。

面白くないわけ、ありません。

(イシクラ)

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