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静かに、多くを語らずそこにある。


自ら多くを語らず、聞かれたことにはそしらぬ顔で「そう。それは…」とひとつふたつ。

桜新町は、歩いていて気持ちの良い町です。高い建物はあまり見かけませんが、通りには、丁寧に建てられたことがうかがえる品のよい住宅が並びます。また、大きな商店街に目をやれば、古くからある店がしっかりと活気を見せています。良いものたちが、変に主張せず堂々とそこにあるのです。

そう、桜新町はあまり出しゃばらないのです。

間違っても前に前に出てこようとはしませんが、それでも「他には何があるの?」と尋ねられたら、やはり長谷川町子美術館でしょうか。

回覧板を持ってきた隣の奥さんが上がり框に座り込み、気がついたら「あらもうこんな時間だわ。夕餉の支度をしなくては」なんて口をつく光景がサザエさんとともに浮かんでくるのも、きっとここが桜新町だからでしょう。

そんな町に、古いアパートを改装して生まれたのが「バウハウス 桜新町」です。

あまり「あれがいい、これがいい」とは申しません。素敵な場所は、いつだって多くを語らず堂々としているものです。


最寄り駅は桜新町。駅から目的のシェアハウスまでは10分ほど。車が通るのをほとんど見かけず歩いた住宅地のなかに、壁面を鎧張りに化粧した建物が現れます。

周りの住宅は現代的な佇まい。ともすると浮いてしまいそうですが、幾分古めかしいこの建物は堂々としています。

門扉から玄関へとつづく飛び石は、まるで老舗の旅館のよう。

飛び石を右手に折れると、ガラス戸の正面玄関が姿を現します。

雨よけとなる庇(ひさし)の下には、やや大ぶりで、凝った意匠の引き戸。

片側に手をかけて、ガラガラという音を鳴らして玄関に入ります。


玄関に「入る」のではなく、玄関に「上がる」。

「どうぞ、お上がりください」

日本家屋では、もともと、土間からの段差部分が高い上がり框が多く見られました。

出掛けに上がり框に腰掛けて、帰宅後も、やはり同じく腰掛けて。実はこの玄関、ゆったり使えるようにとリノベーション時に幅を広げたのだそうです。

土間は、玉砂利洗い出し仕上げ。

靴箱は、リノベーションをする以前から使用されていたものです。収納はひとり4足程度。靴の量が多い場合は、専有部で保管をすることになりそう。

ふと天井を見上げると、小津映画に出てきそうな電笠がぶらり。

日が落ちたあとは、ほんのりと玄関を照らします。


玄関から廊下を正面に進むと、すぐ右手がリビング。

床は杉の無垢材です。素足で歩いても気持ちが良いですが、冬には少し寒いかも…と思っていると、なんと床暖房が入っていて、冬場にも足が冷えることはないようで。

足元が温かいと気が緩んでくるのは、不思議なもの。足湯の気持ちよさと同じでしょうか。

庭に通ずる南向きの窓は大きいため、天気の良い日は日光も多く入ってきます。

それでもまだ寒さを覚えるなら、アンティークのガスストーブが現役で活躍中。

身体を暖められながらソファに腰掛けると、思わず居眠りしてしまいそう。

ポカポカした身体でくつろぐ時間は、まるで温泉宿の待合室です。

頭上に欄間、足元には火鉢のテーブル、それにアンティークのガスストーブ。それぞれが主張をせず空間に馴染んでいるのは、塩梅の良さでありバランス感覚ですね。


リビングと地続きになっているデッキテラス。足元にはパイン材が敷かれ、テーブルを中央にソファが2脚ずつ。

太陽がポカポカと照る日には、椅子に腰掛けゆったりと。

雨がパラパラと降る日にも、大きな庇(ヒサシ)が守ってくれます。

休みの日は、昼間からここにいましょう。

ええ、のんびりしましょう。


ところで、デッキテラスから屋内をのぞき込むと、リビングの全景がよくわかります。

キッチンには、ハイチェアの置かれたカウンターテーブル。

手づくりの3段の棚に、和物で揃えられた食器たち。

厚めの杉に白いタイルを敷き詰めたキッチン台には、シンクとIHクッキングヒーターがひとつずつ。

実はカウンターの下には、業務用の冷蔵庫が設置されています。

吊り戸棚には、専有部ごとに食材を収納。上段はそこそこ高い位置のため、出し入れの際は要注意です。

まぁ無理せず、椅子でも使いましょう。


浴室は、右手の曇りガラスのドアの先。正面のガラス戸には…

なんでしょう、鯉…?

ああ、鯉ですね。ガラスの中を泳いでいます。

浴室のドアには、年季の入ったドアノブが。

様々なドアノブは、運営事業者さんが骨董品屋で手に入れてきたものとか。

水まわりは総じてタイル仕上げ。金色の蛇口に、浴槽は円柱状。

足は伸ばせませんが、ここでは雰囲気を楽しみたいですね。


トイレはウォシュレット付き。

古い家だからこそ、生活用品は快適に使いたいもの。

トイレットペーパーの位置が少し高めなのはご愛嬌。


続いて専有部を見ていきます。

101号室のドアノブはこんな感じ。

扉を開くと、窓が西と南にひとつずつ。床は共用部と同じ、杉の無垢材。壁は漆喰。

全室、専有部には手づくりのパイン材のベッドが置いてあります。

101号室は収納が少ないため、和箪笥を探しに骨董屋に出向いてみても良いかもしれません。

南向きの窓の先は、リビング脇の庭。

洗面台もタイル仕上げ。

洗面台の上部の棚はタオルなど軽いものを、下部の収納は生活備品などかさばるものを収納するのに便利そう。

蛇口からはお湯も出ます。寒い朝に手が温まるのは、とてもありがたいもの。

洗面台周りは決して広くはないものの、洗顔道具と歯磨き用具程度は十分置けそうです。

洗濯物は各専有部の窓の外に干します。

杉板を繰り抜いた穴に竹の竿を通したら、物干し場の完成です。


続いて102号室。洗面台の左手、障子の先には収納。

特徴的な障子の意匠が目を惹きます。

つい、ぼんやりと眺めてしまいます。

収納は上部の方が高さがあるため、ハンガーポールを通して洋服かけにできそうです。

机の引き出しには、パソコン周りのものを収納するのが良いでしょうか。


キッチンの左手には、勝手口が。

外に出ると、洗濯機と乾燥機が設置されています。

ここにも庇が付いていて、雨の日でも安心。

玄関以外にも靴箱があるのは、2Fの入居者は正面玄関を通らずに、アプローチから直接来ることもできるためだとか。


外階段は、靴を脱いで上がります。

幅が広くはないため、登り降りは無理せずゆっくりいきましょう。

2Fにも、靴箱が専有部ごとにわけられています。スニーカーなら、ひとり4足までは収納できそうです。

階段側から見た廊下は、こんな感じ。

右手の扉がトイレです。


2Fのトイレは洗面台が付いています。

1Fと同じくウォシュレット付き。


さて、2Fの専有部へ。

ドアノブをぐるりと回し、201号室に入ります。

2Fの天井の竿の部分は、桜の木が使用されているそう。

机と椅子は、全室同じに見えて少しずつ異なります。

収納は、やや高めの位置にあります。

襖を取っ払い書棚をつくってみるのも、面白いかもしれませんね。

南向きの窓を開けると、ご近所の駐車場が。

ちなみに、真下には自宅の庭が見えます。


最後に203号室です。

扉を開けると、東と南に窓がひとつずつ。

障子の意匠は矢のかたち。はじめて目にしましたが、この空間にはよく馴染んでいます。

収納は、他の専有部よりも少し多めに。


最寄り駅は東急田園都市線桜新町駅です。

渋谷までは、東急田園都市線で10分、シェアハウスから徒歩1分のバス停から20分。三軒茶屋までなら田園都市線で4分、自転車でも20分ほど。

駅の周辺には、大きな商店街の他プラネタリウムまであるのです。生活面でも特別に何か不自由することは、あまり無いのではないかと思います。


運営事業者さんは「株式会社大関商品研究所」。

古き良きものは残し、生活に必要なものを丁寧に自らの手でつくりあげる事業者さんです。今回のバウハウスも、様々なものが手づくりで出来上がりました。

専有部の床をひとつとっても、元々敷かれていた畳をどかし、床を剥がし、断熱材を入れ、その上に杉の無垢材を敷いたとのこと。

個性的な社長さんの元に、最近は若いスタッフさんもどんどん増えてきているそうです。


主張をすることは、大切なことだと思います。

自分にとって、自信のあることなら尚更に。しかし、求められてもいない自己主張は、ともすると出しゃばっているようにも見えがちです。

町も家も、良いものには出しゃばっている素振りをちっとも感じないのは、それぞれが主張し合わず、そこにあるべきものとして堂々とあるためなのかもしれません。

(イイヅカ)

2016年3月オープン。大正末期に作られた駒沢給水塔のほど近く、ノスタルジックな小道を抜けた先に佇む和モダンなシェアハウスです。南向きの共用ラウンジからは、日差しと緑の映える庭へ掃き出し窓から出入りができ、住人達の憩いの場になること間違いなし?各部...

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