畑付きアパートメントで暮らそう

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「食べられる」庭、あります。


1976年に建てられたワカミヤハイツは、もともと8戸の木造アパートでした。

和室を中心にした間取りに、少しずつ年季の入っていく水まわり。40年におよぶ時を経て、いよいよ、これから歩んでいく道を模索する時期が来ていたことは確かだったようです。

そして、改めて様々な検討を繰り返した結果は、なんと、新しく畑付きのアパートメントとして生まれ変わるという決断でした。

新生ワカミヤハイツは、8戸あった住戸のうち1戸を共用のリビング&キッチンへ、もう1戸をシェアオフィスへ改修(※2017年6月追記 現在はオフィスではなく住戸として使っているそうです)。建物に関わる人たちが、豊かな関係をつくるための空間が設けられました。

建物の前に広がる畑でお隣さんに育てかたのアドバイスをもらったり、「今度、あの野菜を植えてみたいよね」なんて話題に花が咲いたり。「トマト、採れ過ぎちゃったからおすそわけ」なんて、素敵なご近所づきあいが始まるかもしれません。

好みの分かれるところですが、共用部のルールを入居者会議で決めたり、イベントの企画を募集したりと、入居者さんの自主性を重視した運営スタイルも特徴のひとつ。運営事業者さんとともに、試行錯誤しながら自分たちの家を育てていくような感覚になりそうです。

今までのアパート暮らしとは、ずいぶん違う日々をおくることになりそうです。


最寄り駅からは、ほぼ一本道の道のり。庭付きの一軒家や低層のアパートが並ぶ、穏やかな雰囲気のエリアです。

乗用車同士がスムーズにすれ違える幅の道路を、一本入った路地の突き当たりに現れるのが「ワカミヤハイツ」。

遠くからでもすぐにわかる看板が目印。2つの建物をつなぐ横断幕のようで、「ようこそ!」と出迎えられている気分になります。

広い敷地に建物がふたつ。1棟に共用のリビング&キッチン、もう1棟にシェアオフィスが設けられ、専有部は各棟に3部屋ずつ振り分けられています(※2019年5月追記 現在はオフィスではなく住戸として使っているそうです。西棟が4室、東棟が3室の計7室となっています)。

モノトーンのコントラストは、一見、スタイリッシュな印象です。

でも、よく見ると丸みが付けられた2階の開口部にレトロな三角屋根と、なかなか愛嬌のある建物。

道路から続くように作られたアプローチには、両側に細長い畑が広がっています。

畑については、後ほどゆっくりと見ていきたいと思います。

つい畑に気を取られていると、足元にこんな注意書きが。

手書きの文字に、ホッとさせられます。芝生を踏まないように注意して歩きます。

さり気なく取り付けられたサインと、それをそっと照らすランプ。

畑のイメージとギャップのある、ポップな字体が面白いですね。

リビングの入口は、扉を全開にすると外部と一体化する、かなり大胆な設計。

聞けば、靴のまま使うのだそうです。

さっそく、靴のままで内部へ入ってみます。


土足でも気負わず使える土間スペースを中心とした、スッキリした空間。

シンプルですが、しっかり温かさも感じられて、とても心地の良い場所です。

引き戸には、窓のように大きなガラスが使われています。

戸を閉めた状態でもしっかり外が見えて、とても開放的。

さらに戸を開けると、室内と屋外の境目がますますなくなります。

静かに風が流れて、植物の葉が揺れる音が聞こえます。

なんだか、屋根付きの屋外テラスにいるような感覚が不思議。

天気の良い日は照明もいらないほど明るいですが、それでも壁から伸びるこのランプは、空間の良いアクセントになっています。

夜にはきっと、やわらかくテーブルを照らしてくれるはず。リビングの、また少し違った表情が楽しめそうです。

リビングと一体のようにテラスが使える間取りは見たことがありますが、リビングと畑が一体のようになっている光景は、なかなか新鮮。

収穫した野菜をそのまま運んで、キッチンで調理する時も便利そうですね。

靴のまま出入りができるのは、大人も子どもも、とても便利だと思います。畑に出る回数もきっと多くなるはず。

フローリングの敷かれたエリアは、靴を脱いで使うスペース。

無垢材が使われていて、裸足でも気持ちのよい空間。子どもが座ったり、寝転んだりしても大丈夫です。

とても特徴的なのは、この木枠。

普通の窓枠のようですが、実は下側の幅が広くなっていてベンチになります。

テーブルのチェアとして使うのはもちろん、畑側を向いて腰掛ければ、縁側のような使い方もできます。

天井から座面に向けて、裾が広がるような形の木枠。

二人乗りの大きなブランコに腰掛けている気分です。大人も、つい童心に帰ってしまいそう。


各部屋にもキッチンが設けられていますが、共用部にもキッチンが用意されています。

ステンレスの業務用タイプ。土のついた野菜もゴシゴシ洗えます。

写真では一部工事中の状態ですが、2015年7月現在はすべて取り付けも終わっているとのこと。

ガスコンロも業務用で、火力も抜群です。

「入居者さんが揃ったら、定期的に食事会やイベントを開きたい」とオーナーさん。キッチンが活躍するシーンも多そうですね。


ちなみに、トイレもあります。

リビングで過ごしているときや、畑作業をしているときなど、なかなか重宝しそうです。

なお、共用リビングは利用時間を定める予定ですが、入居者会議で意見を聞いて利用ルールを作っていくそうです。


さて、ここからは各部屋を見ていきます。

全部で6部屋。すべてキッチンやバス・トイレなどが備わった1LDKの間取りです。

ますは、シェアオフィスのある棟の1階にある101室から。

ドアを開けると、やわらかな色合いの空間が広がります。

なかに入って振り返ると、玄関の段差はしっかりめ。

腰掛けて靴を履くときには、使いやすいと思います。

土間はかなりコンパクトですから、靴はなるべく靴箱にしまっておくのがよさそう。

棚板は取り外せるタイプ。ショートブーツなど、少し背の高い靴も充分収納できます。

玄関の正面にあるのは、キッチンスペース。

フローリングから1段下がったこのスペースは、なんとコンクリートの土間。

フローリングの部屋に囲まれた6畳ほどのスペースがまるまる土間という、大胆な間取り。

キッチンは基本的に立って使いますし、実用上は、すぐに慣れると思います。

考えてみれば町家は土間に台所が定番ですし、昔は当たり前の組み合わせだったのかも。床も掃除がしやすそうな気がしますし、調理好きなら使いこなしが問われるところかもしれません。

キッチンに立ってみると、部屋のほとんどが見渡せて、まるで司令塔のような眺め。

小さな子どもがいても常に目が届いて、調理中も安心です。

ただし、シンクと作業スペースは、ファミリーで使うには少々コンパクトなサイズ感かも。

とは言え、まわりの空間に工夫の余地は大いにありますし、やはり使いこなしが問われるといったところでしょうか。

冷蔵庫と洗濯機は、この扉のなかに設置することを想定して作られています。

水回り作業の動線が集約されているのは、忙しく家事をこなすお母さんには都合が良いかもしれません。

洗濯機置場の壁にはフックが取り付けられていて、洗濯ネットなどランドリーグッズを引っ掛けておくのに便利。

うまく使えば棚板も設置できるはず。洗剤類も置いておけそうです。

掃出窓を開けると、目の前は畑。

畑は各部屋ごとに割り当てられて、自由に使うことができます。自分で育てた野菜は、きっと何倍も美味しく感じるはず。

奥の部屋は、リビングとして使うのにちょうどよいフローリングのスペース。

改装前は和室だったとのことで、少しだけ和風の意匠が残されています。ダイニングテーブルよりローテーブルが似合う気がするのは、たぶん、そのせいですね。無垢フローリングは、足を投げ出して床に座っても気持ち良いのが嬉しいところ。

押入れだったスペースは収納にしてもいいですし、椅子を置いてデスクにしても良いと思います。

ああでもない、こうでもないと言いながら、部屋の使い方を模索するのは楽しいもの。模様替えの可能性が広がりそうで良いですね。

きっと、当時は怒られたであろう誰かさんの落書きも、今となっては味わいのひとつ。

気付いたら、こっそり増えていたりして。

玄関側のこのスペースは、寝室として使うことが想定されています。

ベッドとサイドボードを置くには充分な広さ。ただし、クローゼットは備え付けではないため、なにか収納家具を用意する必要があります。

本棚はかなりの大容量。

いろいろな使い方ができるとは思いますが、ココは是非本好きの人に本棚として使ってもらいたい気がします。

しっかりめのスペックが嬉しい、水まわり。

まるい台が可愛らしい独立洗面台は、メガネや洗顔フォームなど、ちょっとしたものを置いておくのにも便利。

ただし、素材はあくまで木ですから、水気はまめに拭きとった方が良いと思います。

大きな窓からたくさん光が入るバスルームは、しっかりバスタブ付き。

プレーンなサイズ感で、築古の残念感が無いのは嬉しいですね。

共用リビングに併設されているものと同じタイプのトイレ。

しっかり、ウォシュレット付きです。


続いて、共用リビングの棟にある102号室。

6部屋すべて間取りが異なるため、家族構成や生活スタイルによって部屋を選べます。

101号室より、さらに土間の印象が強調されています。

設計士さん曰く、田舎の農家の縁側をイメージしたそう。たしかに、ちょっと腰掛けてお茶を飲む姿が想像できます。

この際、思い切り土間として使うのもアリ。

自転車をディスプレイしたり、植物の鉢を置いて緑でいっぱいにしてみたり。きっと、このスペースでしかできないことがたくさん見つかるはず。

外観や共用部は割とゆるふわテイストのワカミヤハイツですが、ひと癖あるユニークな入居者が集まることを期待させるのは、この土間部分の大胆設計がミソだと思います。

ひと癖といえば、この部屋で面白いのは、一見収納に見える引き戸を開けるとトイレが現れるところ!

予想どおり、以前は押入れだった場所。チャレンジングなアイデアです。

なかに入って戸を閉めると…

ん?なんだか妙な安心感が…。

子どもの頃、かくれんぼでよく押入れに隠れていた人は、ちょっぴり懐かしく感じるかもしれません。


外階段を上った2階には、2部屋ずつ。

202号室は、今までの間取りとは少し異なり、2つの部屋をつなげた広い空間が特徴です。

天井が高く採光が良いことも加わって、6室のなかでも開放感はおそらく一番でしょう。

この広さなら、すこし大きめのソファや4人掛けのダイニングテーブルを置いても、ゆとりがありそう。

ワンルーム感覚で、家具の配置もしやすいと思います。


全部の部屋がつながっている間取りが、204号室。

一番気持ちのいいスペースを寝室にして、大きなベッドを置くのも贅沢ですね。

2階は全室ベランダ付き。

洗濯物もたっぷり干せますし、この日当たりならあっと言う間に乾いてしまうはず。屋根付きで、突然の雨にも安心です。


建物の目の前に広がる畑。またの名を「食べられる庭」と言います。

みかんやレモン、ブルーベリーなどの果物、ナスやトマトなどの野菜、料理に重宝するハーブなど、食べられるものを中心に植えていくそう。

各部屋ごとに区画が割り当てられていて、入居者さんは自由に畑をつかうことができます。

これから、入居者さんと話し合いながら、様々な植物を育てる予定とのこと。地域にも開いた場所にしたいというオーナーさんの想いから、近所の人も招いた収穫祭や、採れた野菜を使った食事会も開きたいそうです。

なお、オーナーさんはワカミヤハイツの近くで農園を経営しているとか。育て方がわからなかったら、相談してみると、快くアドバイスしてもらえると思います。


最後に、シェアオフィスを覗いてみます。※2017年6月追記 現在はオフィスではなく、住戸(102号室)として使われています。

2社が入居する予定というシェアオフィスは、各部屋と同じ広さの間取り。

入居者さんがこのオフィスを利用することはほとんどないと思いますが、オフィスの利用者さんとは、なにかと顔を合わせる機会も多いはず。

オーナーさんは、入居者さん同士の食事会やイベントへの参加、さらに畑の利用も推奨しているそうです。

ただの<入居者とオフィス利用者>より、2歩も3歩も先を行く関係づくりが期待できそう。このテイストに合った、素敵なチームが加わると良いですね。


最寄り駅は日暮里・舎人ライナー谷在家(やざいけ)駅

東京に住んでいても聞きなれない方が多いと思いますが、1番近いターミナル駅は西日暮里で、直通12分。そこから山手線に乗り換えると東京駅まで33分、新宿まで39分。千代田線に乗り換えると大手町まで32分と、実はアクセスはまずまずです。

そして重要なポイントは、なんと徒歩3分(走れば1分!)と、駅までの距離が非常に近い点。

家のドアから勤務先までトータルで考えてみると、「あれ、今住んでいるところより通勤時間が短縮できそう…」なんて人もきっと多いはず。

通勤を、駅間の時間だけで測ってはいけないのです。

駅のある4車線の大通りから一本入ると、落ち着いた住宅街が広がっています。

静かで穏やかな雰囲気は、ベッドタウンならでは。のんびりとオフの時間が過ごせる環境だと思います。


運営・管理を行うのは「ワカミヤハイツ」さん。

お祖父さんからこのアパートを受け継いだオーナーさんと、リノベーションを担当した設計士さんのチームで運営しています。

オーナーさんは、谷在家から徒歩20分ほどの場所で体験型農園を経営。そこで得た知識と体験をもとに、畑付きアパートというコンセプトを組み立てました。

キーワードは、「つながり」と「農」とのこと。

ワカミヤハイツでは、入居者さんが自主的に助け合いながら家を作っていけるコミュニティづくりを目指していきたいとのこと。「定期的な食事会や、近所の人も招いたイベント、入居者会議などによって、緩やかなつながりが生まれたらいいなぁと思っています」とオーナーさん。

さらに、そのつながりをサポートするのが「農」。自然とコミュニケーションが生まれる共通の話題として、畑を積極的に使って欲しいという想いがあるそうです。

同じ畑で野菜や果物を育て、一緒に調理して食べる。「同じ釜の飯を食う」ということわざがありますが、人と人が仲良くなるとき、食事はとても重要な役割を果たしてくれるはずです。

実際のところ、きっとみんなで手探りしながらのスタートになると思います。トライ&エラーを繰り返しながら、少しずつ自分たちの家を育てていく。そんな経験ができる機会や環境は、決して多くはないものです。

ピタリとハマれば、離れられない家になるのでしょう。もしかしたら一度埋まってしまったら、なかなか空きが出ないかもしれません。お問合せはコチラからどうぞ。


愛情をかけて育てた分だけ、おいしくなる。

時間をかけて、大事に大事に育てていけますように。

(テルヤ)

「ワクワク感があり、とにかく行きたくなる場所」それがワカミヤハイツのめざす姿です。これからワカミヤハイツは、住人の方々以外にも開いていくべく様々な試みを行なっていきます。例えばキッチンラウンジはコワーキングスペースとして、また庭は自然農法のワークシ...

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