庭園を流れる時間

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庭のある住まいと、その愉しみ方。


西洋の歴史を紐解けば、「庭園」に関する記述は約3000年前に綴られたギルガメッシュ叙事詩にまで遡ることができるそうです。

古代ギリシャ・ローマの時代には、すでに庭園はいたってポピュラーな存在だったのかもしれません。

また、かつての中国では、庭園は仙人たちの桃源郷を模して造られたものだったとか。日本もその影響を大きく受けているそうです。平安時代、極楽浄土の世界を再現した「浄土式庭園」なるものが盛んに作られていた史実が、それを物語っています。

とは言え実際のところ、庶民の間まで広く伝わっていたわけでもなく、豊かな権力者が生活にも精神的にも余裕があってこそ手に入れられるものであったはず。ま、現代でもそういった部分はあるかと思います。なにせ、住まいの中で庭という空間は絶対的に必要なものではないですし。

しかしながら、植物や玉砂利、水の音に美を感じ、愛でることは、とても人間的な精神からしか産まれ得ないというのも、これまたひとつの真実ではないかと思うのです。

今回ご紹介する「新宿庭縁」は、都心の中心に位置しながらも、立派な日本庭園を持つシェアハウス。

借家に関して言えば、先進国では日本のひとり当たりの床面積の狭さが際立っているとか。そんななか、居心地の良い美意識に富んだ庭園を持つことは、けっこうな贅沢です。

“庭”で紡がれる、住まい手たちの“縁”。

シェアハウスにおける住まいの“縁”は、元々その家の持つある種の磁石によって大きく色合いが変わってくるものです。立派な日本庭園を持つこの家に、どんな人々が集まり、縁を紡いでいくことになるのでしょうか。


駅の出口を出てすぐ先にある、下町風情の漂う商店街。おばちゃん、おじちゃん、学生の話し声が飛び交う活気ある風景です。

それらを横目に歩きながら、ひとつ脇道に逸れると、シェアハウスへと続くこんな階段が現れます。

近くに交通量の多い国道があるはずですが、その存在を感じないほど静かな小路。

その小路を少し歩いた先に、豪邸と表現しても一切差し支えのない、実に立派な邸宅が姿を現します。

どっしりとした威厳たっぷりの面持ちです。

門は、贅沢にも左右に2つ設置されています。

玄関ドアを開ける際に内部が見えないようにするための配慮かもしれませんが、それを作れるのもこの規模ならではのもの。

渋いゴールドプレートに綴られた名前と、庭園をイメージしたイラスト。

シンプルですが、余白の多いデザインに気品が漂います。

曇りガラスに囲まれた正面玄関のドアは、それだけで内部の広さがうかがえるよう。

ハンドルは引くのではなく、内側にグッと押して開けるタイプです。

庶民的に表現するなら、買い物をしすぎて両手がふさがっていても、体で押し込むことができる便利な仕様です。

それでは早速ドアを開けて、内部へと足を踏み入れてみます。


玄関は広く、落ち着いた空間。

磨かれた大理石のたたきや、使い込まれた木の色合いが味わい深い雰囲気です。

靴箱は両側にありますが、特に予め部屋ごとに仕切られているといったわけではありません。

玄関を上がった左手にはシュークローゼットがあり、背の高いブーツも置けます。

ボリューム的にこちらの靴箱では普段使いのものを1,2足だけ置いておく感じ。その他は自室での管理となりそうです。

では早速、リビングへ向かいます。


ドアを開けるとまず目に飛び込んでくるのは、窓外に広がる日本庭園の姿。

リビングはむしろ、日々変わっていく庭園の表情を捉えることを主な用途につくられたようにすら見えます。

天井まで届く高さ3mほどの大きな窓、その正面に据えられたソファのVIP席。

“スリーシーターのソファが優に2つ収まる”。それだけでも、その広さを感じていただけるのではないでしょうか。

元々は一家族だけが使っていた住まい(ただし豪邸)であった、今回のシェアハウス。ある意味、誰もがその空間を享受できるというのはなんだか夢のある話です。

こういった豪邸がもしかしたら都心でもゴロゴロあるかもしれない可能性を考えると、にやりとしてしまいそうです。

ソファの上に並ぶ、ビビッドなカラーのクッションたち。

座面に敷くのも良し、枕代わりにするのも良し、抱きかかえるのも良し。これだけサイズが違っていれば、様々な使い方ができそうです。

ソファの裏には4脚のラタンチェアで囲む、もうひとつの憩いのスペース。

庭園鑑賞に重きを置いたソファエリアとは違い、座った人たちのそれぞれの表情を見渡せる会話も弾むレイアウト。

リビングには、サインにも用いられた蝶のアートポスターが飾られています。

他にも飾り棚にはバラの花片やマトリョーシカのようなオブジェが並び、設計士さんの遊びゴコロとセンスが詰まっています。

ここは今後、住まい手がいろいろとアレンジを加えてみても良いかもしれませんね。例えば、秋の枯葉で作ったリースとか飾ったり。

ほら、庭に出れば素材となるものはたくさん落ちているでしょうし。

グリーン(観葉植物)は、所々にコンパクトなものがそれとなく置かれているだけだったりします。

まあ、それはそこまで必要ないからでしょう。

なぜなら掃き出し窓からひとたび外に出てみれば、緑豊かな日本庭園が広がっているから。

カランコロンと鳴る下駄で見てまわる姿がとても風景に馴染みそうな、人の気配がする親しみある雰囲気。

雨の日でも観賞できそうな踏み石は、庭内にぐるりと円を描く形で配置されています。

観葉植物=グリーンと呼ぶことが多いかと思いますが、こういった庭園では当てはまらない言葉なのかなと思ったり。

まあ当たり前のことですが、実際の植物は同じ緑色でも深緑、若緑、エメラルドなどまったく違いますし、他にも黄、赤、だいだい、紫など数限りない色合いを表現します。

さらに、季節によってもその表情を刻々と変えていくもの。

それら色の変化を熟知し、四季折々のバランスや配置を計算し尽くして作られるのが庭園というものなんでしょうね。

ちなみに植えられている柚子、レモン、蜜柑、柿の木はもちろん(!)食べられます。


続いてキッチンへ。ダイニングと一体となった空間です。

リビングとはドアひとつを挟んでいますし、多少賑やかな使い方をしても問題ない間取りかと思います。

食べ物や飲み物が近くにある環境は、会話も自然と増えてくるでしょうしね。

キッチンの手前にある作業台は、蛇口付き。

基本は調理中などのちょっとした飲み物のサーブに便利なように、という事かと思いますが、例えば少しのあいだ漬け置きしたい食器や調理器具用というのも、シェアハウスらしい賢い使い方かもしれません。

こちらはrecolteのコーヒーメーカー。

1台で2カップ同時にコーヒーを淹れることができるスグレモノです。

キッチンのシンクは、蛇口が2つあるスタイル。

また、取り外し可能なプレートがあり、シンクの片側を作業台代わりとして使うことができます。

蛇口まわりには浄水専用の吐水口もあります。

備え付けの浄水器は、けっこう喜ばれる設備のひとつかもしれませんね。調理やコーヒーを淹れる際にも便利ですし。

シンクの上には網状のカゴが設置された吊り戸棚があり、洗い物をそのまま置くことができます。

キッチンのデッドスペースとなってしまいがちな洗い物置き場ですが、余分に作業台スペースを消すことなく便利。

ガスコンロは3口あります。

しっかりとしたタイプで、ガシガシ鍋を振るって料理ができそうです。

キッチン側から見たダイニングの様子。

奥の左手にあるドアの先に、水まわり設備があります。


水まわりは洗面台が2つに、洗濯機と乾燥機が計3台ずつ並んでいます。

洗面台の脇には、シンクの深い蛇口もあります。

掃除用具や、もしくは帽子やニット素材の手洗い場として使えそうです。

生活の中では、キッチンや洗面台では気持ち的に洗いづらいものも出てくるもの。これもまた嬉しい設備ですね。


脱衣室にも洗面台が2つあります。

奥に見えるのが、バスルームです。

ガラス板の棚や吊り戸棚など、収納スペースも豊富。

特に仕切りを設けてはいませんが、入居者同士で予めスペースを決めてしまえば、バスタオルやシャンプーなどを置いておける使い勝手の良い空間となりそうです。

バスルームは、元々あったものをほぼそのまま残した形。

他の方に配慮した上での話ですが、自然光も差し込みますし、爽やかな朝の入浴も楽しむことができそうです。

タイルは昭和レトロな雰囲気を醸す、淡い紺色のしつらえ。

とは言え、“懐かしい”という感覚だけでは括れない洗練された雰囲気が漂います。

こちらは、新しく設置されたシャワールーム。

ユニット型のオーソドックスはタイプです。


トイレはこちら。

もちろん、ウォシュレット付きです。


続いては専有部。

101号室のルームサインはアイアン製で、ポップな小鳥の組み合わせは設計士さんの遊びゴコロ。

ドアノブをぐるりと回して、ドアを開けます。

101号室は、元々は寝室スペースのようですが、それにしても広大な空間。

何よりも壁一面の収納ボリュームは圧巻の一言。

しかも使いやすそうな仕切りがなされていて、収納ベタでも自然とキレイに納めることができそうな気がします。

可変式のポールは、裾の長いコートやドレスもスッキリと掛けることができます。

グイッと棒を引っ張れば、身長が低い方でも難なく取り出すことも。

ちなみに一つ訂正をさせていただくと、先ほど壁一面が収納と説明しましたが、その向かいの壁にもありました。収納が。

つまり、壁2面が収納。ちなみに2名での入居も可とのことですが、それでも人によってはスペースを余らせてしまうんじゃないでしょうか。

元々あった大きくて素敵な部屋が、そのまま残されたことがとても嬉しいですね。こうした高級な設えの建物に新しくつくる部屋は、どうしても建物が持つ空気とどこかズレてしまうことが多いもの。

豪邸の豪邸たる風格のようなものを堪能する目線では、やはり、ありのままの状態が望ましいのかなと。

専有部には専用の洗面台とトイレが用意されています。

鏡の裏は収納で、歯ブラシなどの洗面道具も置いておけます。

専用のトイレはウォシュレット付き。

もちろん共用のトイレではないので、こまめな掃除は心がけたいところですね。


102号室は、全体的に渋みのある自然色に囲まれた空間。

窓から差し込む木漏れ日、オレンジ入りの光を放つデスクスタンド、装飾の少ない良い意味での質素な雰囲気。

どこか昭和の文豪の私室を彷彿とさせるような味わいがあります。

収納も備え付けられています。

日々の生活品に加えて、たくさんの書物を保管できそう…いや、して欲しい。

人気の部屋とのことで、オープンからそれほど経っていないにも関わらず、この部屋が空くのを待ち望んでいる方が既に何人もいるのだとか。


次は103号室。

ルームサインの傍らでは、幸せを運ぶ青い鳥が主の帰りを待っています。

ドアの向こうは、2面採光の日当たりの良い空間。

右手の窓からは庭園の様子を窺うこともできます。

ちなみに間取り上、ちょうどリビングの横に位置しています。

ある程度、音や振動、それから社交性についてキャパシティのある方にオススメです。


こちらは玄関側から見た廊下の様子。

ドアの先がリビングで、その手前に階段があります。

階段は深みのある木の色合いで、堂々たる雰囲気。

上る途中には、重厚な照明が。

家のそこかしこに、豪邸のそれを感じます。

では続いて、2Fを見てまわりたいと思います。


廊下には収納スペースがあります。

1Fにも同じような収納がありますが、両方とも特に部屋ごとにスペースが決まっているわけでは有りません。

2F廊下の両側には専有部が並び、突き当りにサンルームがあります。

サンルームからも、庭園を眺めることができます。

それにしても、どこから見ても美しい。

眺めも良い適度なスペースは、天気や時間帯によってはとても居心地の良い場所になってくれそうです。部屋から椅子を持ちだして、淹れたてのコーヒーを片手に読書なんて、いかがでしょうか。


2Fにも水まわり設備があります。

奥がシャワールームで、右手のドアがトイレです。


204号室は、102号室と雰囲気が似ています。

面積としてはこちらの方が広いですが、L字の独特な間取り。縦の部分にベッドがぴったり納まっていて、スペースの使い方の効率は良さそうです。

デスク、収納となっているスペースは、

ロールスクリーンで目隠しをすることもできます。

ふと思いついたのがプロジェクタを用意し、スクリーンに専用のシートを重ねれば、専有部が即席の大画面シアタールームに変貌したりするのかなと。

そうすると、ベッドもピタリとちょうど良い配置ですし。


206号室はミニ・キッチン付き。

押入れタイプの収納は、こちらもスクリーンで目隠しすることができます。

専用のキッチンは、シンクとIHコンロの組み合わせ。

その下には、コンパクトでは有りますが冷蔵庫も備え付けられています。

また、キッチンの向かいには洗面台もあります。

こんな感じで水まわりが用意されている専有部がいくつかあるので、共用の水まわりの方で困ることはそう多くないはず。


210号室は、より現代的でシンプルな空間。

ポイントは、正面の掃き出し窓の外に付いている専用のルーフバルコニー。

スペースも広く、腕に自信のある方はぜひ庭園に負けないガーデニングに挑戦してもらいたいものです。


211号室のドアは曇りガラスが嵌められたタイプのもの。

気になる方は、暖簾や布などを吊るして目隠しをする必要がありそうですね。

内部は210号室と似たような内装。

2面採光ですし、風通しも良さそうです。


212号室は、101号室と同じで2名入居可のお部屋。

フローリングではありますが、純和風のテイストで床の間もあります。

こちらもミニ・キッチンが備え付けられています。

また、左手の床に見えるのは取っ手で、そこを開けばなんと掘りごたつになるんだとか。


屋上は見晴らしも良く、広々とした空間。

BBQも大丈夫とのことで、様々な用途で使えそうです。

「温室」も、この屋上に設置されています。

一般的な住まいではまず見かけることのない設備。庭園を始めとして、オーナーさんの植物への愛情がよく見て取れます。

長く過ごした主の愛着は、やはりなかなか住まいから消えないものですし、また、個人的にはこうして消えずにいて欲しいなと思います。


駐輪場のシャッターは電動式です。

近辺の環境を考えれば、わりと自転車やオートバイを使う方も多いはず。

雨をしのげる屋根付きということで、ちょっとお高めなマイサイクルをお持ちの方でも安心。

車も数台入りそうな雰囲気はありますが、こちらで駐車はできません。


最寄り駅は、都営新宿線曙橋駅

隣駅且つ国内有数(最大?)のターミナル・新宿駅までは約3分。そこからのアクセスの良さは言わずもがな、です。

電車に乗らずとも自転車に跨ってしまえば新宿までは10分そこらですし、その途中にある新宿御苑なんていうのは格好のサイクルスポット。

また、家に向かう途中には賑やかな商店街があります。

スーパー、ドラッグストア、100円ショップ、本屋、飲食店、ファストフード等なんでもござれで、生活品の購入はこの界隈だけで事足りる環境です。


シェアハウスを運営管理するのは、「株式会社シェアカンパニー」さん。

COURIシリーズでおなじみの事業者さんですが、今回はこれまでにない、日本庭園にポイントを置いた和テイストの物件。

象徴とも言える広い庭園は、限られた人たちだけが体感できる、都心とは思えないゆったりとした時間の流れを提供してくれるかと思います。ただしそれが享受するものではなく、一緒になって作り上げるものという側面もあるのがCOURIスタイル。

基本的に、入居者同士の話し合いからルールが決められていくDIY寄りの運営スタイルを採っており、もちろんそれは庭園の管理も含まれます。

住まい手自身の手で、より素敵な庭園へと昇華するかもしれませんし、その逆もまたしかり。

当然いろいろな苦労やハードルもあるでしょう。でも、その分だけ住まいへの格別な愛着や居心地の良さを育てていくことができる余地が残されている、という見方もできます。

自ら関わって創りあげていくプロセスを味わっていきたい方、庭のある豪邸を都心で愉しみたい方は、コチラからお問合せをどうぞ。


それにしても、庭園は「見て愉しむ」だけでは、ないのですね。

例えば、庭内になる果物はそれ自体を味わうことができますし、雨上がりの湿った土の香りに、もちろん木の香り。頬を撫でる風の音、靴底を通して伝わる踏み石の感触‥。

こうして五感で愉しむことこそが、庭園の本質なのかなと。

枯れ葉を集めて屋上で焼き芋、なんてこともできそうですね。

(ソン)

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